延慶駅

延慶駅

延慶駅（えんけいえき）は、中華人民共和国の首都である北京市に位置する鉄道駅です。具体的には、北京市北西部に広がる延慶区に所在し、中国国鉄の北京鉄路局が管理・運営を管轄しています。当駅は、北京市中心部と延慶区方面を結ぶ重要な鉄道網の一端を担っており、現在、北京市郊外鉄道S2線の列車に加え、北京と張家口を結ぶ京張都市間鉄道を経由する一部の列車も発着しています。これらの路線は、通勤・通学利用者はもちろんのこと、延慶区周辺の観光地へのアクセス手段としても多くの人々に利用されています。

所属路線

延慶駅には、主に二つの系統の路線が乗り入れています。

一つは中国国鉄の路線であり、具体的には康延線が該当します。康延線は中国国鉄の主要幹線である京包線（北京市から内モンゴル自治区の包頭市を結ぶ路線）の支線の一つとして位置づけられています。この康延線は康荘駅を起点としており、延慶駅は康荘駅から約12キロメートルの地点に位置しています。

もう一つは、北京市郊外鉄道のS2線です。S2線は、北京市中心部の主要駅（主に北京北駅や黄土店駅）と、昌平区や延慶区といった市郊外を結ぶ通勤・観光路線として運行されています。特に、世界遺産である八達嶺長城へのアクセスルートとして、国内外からの観光客に広く利用されています。延慶駅は、S2線の終点の一つとして、北京市内から延慶区への玄関口となっています。

駅構造

延慶駅は地上に駅施設が配置された地上駅です。旅客が列車に乗降するためのホームは合計で2面設けられています。内訳としては、線路の片側に面した単式ホームが1面と、線路に挟まれた島式ホームが1面です。これらのホームが、乗り入れる列車の発着に対応しています。駅構内の線路配置などの詳細については限られた情報しかありませんが、利用者が安全かつ円滑に列車を利用できるよう設備が整えられています。

歴史

延慶駅の歴史は、1983年11月20日に中国国鉄の康延線が開通したことに遡ります。この時、「延慶南駅」という名称で駅が開業しました。開業当初は康延線の終着駅として機能していました。その後、駅の名称は現在の「延慶駅」へと改称されています。この改称が実施された正確な時期や理由は明確ではありませんが、地域の中心駅としての地位向上や、他の交通機関との連携強化などに関連している可能性が考えられます。

大きな転換期となったのは、2008年8月6日に北京市郊外鉄道S2線が運行を開始し、延慶駅に乗り入れるようになったことです。これにより、北京市中心部からの直通列車が設定され、駅の利便性が飛躍的に向上しました。さらに、2020年12月1日には、北京冬季オリンピックの開催に合わせて整備された京張都市間鉄道の延慶支線が開業しました。この開業により、高速列車の一部が延慶駅に乗り入れるようになり、北京市や張家口方面へのアクセスがさらに改善されました。これらの歴史的な経緯を経て、延慶駅は地域の重要な交通結節点としての地位を確立しています。

隣の駅

延慶駅の隣接駅は、以下の通りです。

中国国鉄 康延線：康荘駅 - 延慶駅
北京市郊外鉄道 S2線：八達嶺駅 - 延慶駅

康延線においては、康荘駅が当駅の起点側の隣駅です。S2線においては、八達嶺長城の最寄り駅としても知られる八達嶺駅が当駅の隣駅となります。

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