建興 (蜀)

建興（けんこう）

建興は、中国の三国時代、蜀漢の皇帝であった劉禅（りゅうぜん）の治世で使用された元号です。具体的には、223年5月から237年12月までの期間に使用されました。この元号は、蜀漢の歴史を理解する上で欠かせない要素の一つです。

概要

元号は、中国において皇帝が代替わりしたり、政治的な節目があったりする際に改められるもので、その時代を象徴する意味合いを持ちます。建興という元号が使用された期間は、蜀漢が建国からしばらく経ち、国家としての基盤を固めつつあった時期にあたります。しかし、その一方で、北方の魏や南方の呉といった強国との対立も続いており、蜀漢にとっては決して安泰な時代ではありませんでした。

建興期の蜀漢

劉禅は、蜀漢の初代皇帝である劉備（りゅうび）の子であり、父の死後、若くして皇帝の位を継ぎました。劉禅の治世は、丞相である諸葛亮（しょかつりょう）による補佐を受け、内政の充実と北伐による魏への牽制が行われました。諸葛亮の死後も、蒋琬（しょうえん）や費禕（ひい）といった有能な臣下が劉禅を支えましたが、徐々に国力は衰退していきました。

建興の時代は、蜀漢が最後の輝きを見せた時代とも言えるでしょう。諸葛亮による北伐は、魏に対して一定の圧力をかけることに成功しましたが、決定的な勝利を得るには至りませんでした。また、国内では、諸葛亮の死後、政治的な腐敗が進み、蜀漢の衰退を招きました。

元号対照表（西暦・干支）

他元号との対照表

建興の期間中、魏では黄初、太和、青龍、景初、斉王、呉では黄武、黄龍、嘉禾、赤烏といった元号が使用されていました。

参考文献

『三国志』（中華書局 1974年）
『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

関連項目

元号一覧 (中国)
その他の王朝の建興（曖昧さ回避）

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