式守伊之助 (40代)

式守伊之助とは

式守伊之助（よんじゅうだい しきもり いのすけ、本名：野内五雄）は、1959年12月23日、大阪府岸和田市に生まれた大相撲の元立行司です。宮城野部屋に所属し、血液型はA型です。相撲の世界への情熱は幼少期からあり、特に当時の大関・清國の仕切りに魅了されていました。

人物と経歴

伊之助は中学卒業後、力士を目指して相撲部屋を訪ねましたが、身長165センチメートルのため力士として受け入れられず、宮城野部屋で行司になる道を勧められました。彼は入門した宮城野部屋において、当時27代の木村庄之助の弟子として厳しい指導を受けました。

1975年3月場所で「式守吉之輔」として初土俵を踏み、1978年には「木村吉之輔」に改名。その後、2005年9月には幕内格に昇進し、2006年1月には11代式守錦太夫として襲名しました。そして、2011年11月場所には三役格行司に昇進しました。2013年11月場所では、40代式守伊之助として立行司に昇進し、異例の若さで昇格したことが注目されました。

複雑な評価と裁き

伊之助の裁きについては賛否が分かれます。彼は36代木村庄之助からその美しい立ち振る舞いと正確な裁きを評価されましたが、好角家の漫画家やくみつるからは裁きが下手であるとの指摘を受けることもありました。また、2015年5月場所からは首席行司として結びの一番の裁きを任されていましたが、2017年12月の不祥事により2018年1月場所からの3場所出場停止処分を受け、その後、退職することになりました。

セクハラ事件とその影響

伊之助は2017年の冬巡業で未成年の若手行司に対してセクシャルハラスメント行為を行ったことが報じられました。この行動は彼自身も認めており、その後、相撲協会から出場停止処分を科されました。セクハラ事件は相撲界において大きな波紋を呼び、伊之助の立場が大きく揺らぐこととなりました。最終的には処分明け後の2018年5月に退職しました。

収束しないmissteps

さらに彼のキャリアには、軍配差し違えなど複数の失態も見られました。2015年9月場所から2016年1月場所にかけて、3場所連続で軍配を差し違えるという異例の事態に陥り、厳重注意を受けることになりました。土俵からの転落や力士との接触も話題になり、彼の業務に対する不安要素が増加していました。特に、2016年5月場所の際には土俵の外に落下してしまいながらも、見事に東方に軍配を挙げ続けたことが話題になりました。

彼の人間性

普段の伊之助は優しく、気の小さい性格であると言われており、歴史小説を好む知的な一面を持っています。また、彼は仲間や後輩たちからも深く慕われ、特に仙台出身の11代式守勘太夫とは新弟子時代に良好な関係を築いており、今でも交流が続いています。彼の存在は相撲界において欠かせないものだったと評価されていますが、その成果と影響は複雑なものでありました。

最後に

式守伊之助は相撲界において多くの栄光と挫折を経験しました。彼の行司としての活動は一時期注目を集めましたが、同時にトラブルも多く、退職後は相撲博物館の嘱託職員として新たな道を歩んでいます。相撲ファンや業界関係者に強い印象を残した人物であり、その人生は一つの教訓でもあります。

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