式守錦太夫 (10代)

10代式守錦太夫の生涯と功績

人物紹介

10代式守錦太夫（じゅうだい しきもりきんだゆう）は、大相撲の元行司であり、1940年8月6日に佐賀県で生まれました。本名は中島忠雄で、1957年11月に木村忠雄の名で初めて土俵に立ち、以降、長いキャリアを通じて多くの力士を裁きました。

初土俵からの軌跡

式守錦太夫は、序の口格で14代木村玉光（後の25代木村庄之助）の付人となり、経験を積んでいきました。彼の裁きは特に正確さが際立っており、力士たちからも信頼を寄せられていました。しかし、幕内格として活躍していた時期に、不幸にも一度だけ力士の下敷きになってしまい、その結果として骨折し、休場を余儀なくされた経験もあります。

行司としての頂点

2003年1月以降、2005年7月の停年まで、彼は三役格の序列3位に位置していました。2003年3月場所や2004年7月、11月の場所では、上位の行司が休場したため、彼が上位4人目として出場し、三役力士を裁く役割を担いました。これは、彼の裁きの技術と信頼があってこその出来事でした。

卓越した裁きと個性

特に、式守錦太夫の裁き中の掛け声は、30代式守伊之助に似ており、観客や力士に強い印象を与えていました。また、勝ち名乗りで力士の名前を呼び上げる際には、彼独特のリズムがあり、これが彼の個性を際立たせていました。彼の技術は終生色あせることなく、多くのファンから愛され続けたことでしょう。

最終場所と引退後

2005年5月場所初日の琴欧州と垣添の対戦時、高転落を経験し、さらには装束が破れるというアクシデントが起こりました。そのため、一番のみの裁きでその日は引き揚げることになりましたが、その後は無事に最終場所へと出場できました。

最期の時

10代式守錦太夫は、2007年2月10日に急性心不全により66歳で亡くなりました。生涯を通じて相撲界に多大な影響を与え、行司として多くの名勝負を見守ってきた彼の存在は、相撲ファンにとって忘れられないものとなりました。彼の足跡は、格式ある相撲の世界に残り続けるでしょう。

履歴

• - 1957年11月: 初土俵、木村忠雄
• - 1980年1月: 十両格昇格
• - 1985年11月: 3代式守慎之助襲名
• - 1991年1月: 幕内格昇格
• - 1994年9月: 10代式守錦太夫襲名
• - 2003年1月: 三役格昇格
• - 2005年7月: 最終場所

式守錦太夫は、単に行司としての役割を果たすだけでなく、その人間性や個性が周囲に感銘を与える存在であり続けました。彼の記憶は多くの相撲ファンの中で生き続けることになるでしょう。

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