弓山達也
弓山達也(ゆみやま たつや、
1963年 - )は、日本の
宗教学者であり、
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授、環境・社会理工学院社会・人間科学系教授を務めています。また、
東京工業大学の法人評議員、日本
宗教学会の常務理事、公益財団法人国際宗教研究所の常務理事、宗教文化教育推進センターの運営委員も兼任しています。
専門は
宗教社会学であり、「現代世界における宗教性/霊性」をテーマに研究を進めています。
略歴
1963年:奈良県に生まれる。
1981年3月:
東京都立豊島高等学校卒業。
1986年:法政大学文学部哲学科卒業。
1991年:
大正大学大学院博士課程後期単位取得退学。
1992年4月 - 1998年3月:大正大学文学部国際文化学科の非常勤講師。
1998年4月 -
2001年3月:
大正大学I類担当の任期制専任講師。
2000年4月 - 2012年3月:慶應義塾大学文学部の非常勤講師。
2000年9月:
大正大学より
博士(文学)を授与。「新宗教における分派分立の研究 :
天理教系教団をめぐって」で学位を取得。
2001年4月 - 2006年3月:大正大学人間学部人間科学科の助教授。
2004年4月 - 2011年
3月:
國學院大學神道文化学部の非常勤講師。
2006年4月 - 2008年3月:大正大学人間学部人間科学科の教授。
2008年4月 - 2011年
3月:
大正大学人間学部人間科学科教育人間学専攻の教授。
2008年10月 - 2009年3月:東京大学文学部の非常勤講師。
2009年4月 -
2012年3月:
聖心女子大学文学部の非常勤講師。
2010年4月 - 2012年3月:立教大学の非常勤講師。
2012年9月 -
2013年3月:
エトヴェシュ・ロラーンド大学日本学科客員教授。
現在:東京工業大学大学リベラルアーツ研究教育院教授(環境・社会理工学院社会・人間科学系を兼務)。
人物像
弓山氏は、人気コミック『進撃の巨人』の愛読者としても知られています。また、教育活動にも熱心であり、2011年には武南中学校・高等学校で「教室で『いのち』は教えられるか」というテーマで出張講義を行いました。東日本大震災発生直後には、学生や教職員と共に被災地支援活動にも従事しました。
大正大学での授業「現代社会の倫理を考える」が小学館の『SAPIO』で紹介されるなど、教育者としても注目されています。
東京工業大学においては、学生の学習意欲を高めるため、かつては成績評価において平均点96点を出すという異例の措置を取っていましたが、公平性の観点から苦情が寄せられたため、小テストを導入するなどの調整を行いました。
発言・思想
弓山氏は、仏教団体や仏教者が被災地で活動することについて、日本仏教が鍛えられていく好機であると述べています。また、昨今の仏教ブームが人々の救済に繋がりうるのか、震災が試金石になっているという見解を示しました。
大学教育においては、教員から与えられるものはきっかけに過ぎず、学生自らが主体的に学び、共有できる環境を創造することこそ重要であるという考えを持っています。
担当科目
現代社会とスピリチュアリティ (
大正大学)
宗教と社会問題 (大正大学)
こころの教育を考える (
大正大学)
宗教学の基礎 (大正大学)
スピリチュアルブームの功罪 (
大正大学)
比較文化宗教学演習 (聖心女子大学)
文系エッセンス(
宗教学) (
東京工業大学)
所属学会
日本宗教学会
「宗教と社会」学会
日本社会学会
国際
宗教社会学会
著作
『天啓のゆくえ - 宗教が分派するとき』(日本地域社会研究所) 2005
共編著
『祈るふれあう感じる - 自分探しのオデッセー』(芳賀学共著、アルファベータ) 1994
『癒しと和解 - 現代におけるCAREの諸相』(新屋重彦, 田邉信太郎, 島薗進共著、ハーベスト社) 1995
『癒しを生きた人々 - 近代知のオルタナティブ』(田邉信太郎,
島薗進共著、専修大学出版局) 1999
『スピリチュアリティの社会学 - 現代世界の宗教性の探求』(伊藤雅之, 樫尾直樹共著、世界思想社) 2004
『現代における宗教者の育成』(責任編集、
大正大学出版会) 2006
『いのち・教育・スピリチュアリティ』(カール・ベッカーほか、大正大学出版会) 2009
『情報時代のオウム真理教』(
井上順孝責任編集、
春秋社) 2011
『プレステップ基礎ゼミ』(川廷宗之, 川野辺裕幸, 岩井洋編、弘文堂) 2011
『現代日本の宗教事情〈国内編I〉』(堀江宗正責任編集、
岩波書店) 2018
* 『
東日本大震災後の宗教とコミュニティ』(星野英紀共編、ハーベスト社) 2019
弓山達也は、現代社会における宗教とスピリチュアリティに関する研究を通じて、社会に貢献し続けています。