弘中惇一郎

弘中 惇一郎について

弘中惇一郎（ひろなか じゅんいちろう）は1945年10月16日生まれの日本の弁護士で、東京弁護士会に所属しています。無罪判決を多くの案件で成功させたことから、「無罪請負人」として知られています。娘に弁護士の弘中絵里がいます。

生い立ちと学歴

山口県で生まれた弘中は、その後家族と共に東京代々木に移り住みました。幼少期は成城学園に通い、小学校6年生の夏には広島市東区牛田に転居します。彼の学校生活は、修道高校での学びを経て、1968年には東京大学法学部を卒業しました。

弘中は1967年に司法試験に合格し、さらに司法修習を経て1970年に弁護士として登録されました。彼の輩出した著名な同僚として、木村晋介や筒井信隆が挙げられ、また弁護士の佐藤博史は彼の高校・大学の3年後輩にあたります。

主要な業績

弘中はさまざまな薬害事件に関与し、特にクロロキン、クロラムフェニコールなどのケースを扱ってきました。また、日化工クロム職業病裁判やマクリーン事件といった重要な案件も手掛けてきました。特筆すべきはロス疑惑の銃撃事件における三浦和義の無罪判決や、薬害エイズ事件での安部英の一審無罪勝ち取り、さらに障害者郵便制度悪用事件で村木厚子の無罪判決です。

また、弘中は大阪地検特捜部の主任検事による証拠改ざん事件を暴露したことでも知られています。2000年代初頭には、熊谷信太郎や吉村洋文とともに大手消費者金融の武富士を相手にした訴訟で、反社会的な取り立てや違法業務を告発しましたが、これに対してはスラップ訴訟であるとの批判もされました。

カルロス・ゴーン事件

弘中は2019年にカルロス・ゴーン被告の弁護を担当し、彼が保釈を勝ち取る手助けをしました。この件は海外メディアでも取り上げられましたが、その後ゴーンは保釈中にレバノンに脱出し、弘中は弁護団を辞任しました。

2020年には、彼の事務所が出入国管理法違反の疑いで家宅捜索を受け、違法性が認められたものの、国に対する賠償請求は認められませんでした。彼は名誉毀損を理由に読売新聞を提訴しましたが、請求は棄却されています。

メディアへの出演と著作

弘中はTBSの「情熱大陸」にも出演しており、彼の業務や弁護士としての考え方に対する関心は高いです。また、法律や人権に関する著書も多く発表しており、『刑事裁判と知る権利』や『無罪請負人 刑事弁護とは何か？』などが代表的な作品です。彼の著作は刑事弁護や人権問題についての理解を深めるための重要な資料となっています。

結論

弘中惇一郎の活動は日本の法制度や社会に多大な影響を与えています。彼の秀でた弁護技術と社会正義への貢献は、法曹界において顕著であり、今後の展開も注目されます。

もう一度検索