彰信可汗

彰信可汗（しょうしんかがん）

彰信可汗（? - 839年）は、回鶻可汗国の第12代可汗であり、唐からは「彰信可汗」の称号を授けられました。可汗号は「アイ・テングリデ・クト・ボルミシュ・アルプ・キュリュグ・ビルゲ・カガン」と称しました。即位前は胡特勤（コ・テギン）という称号を持っていました。

生涯

832年、昭礼可汗が配下に殺害されると、その従子であった胡特勤が可汗として擁立され、唐に使者を派遣して即位を報告しました。833年、唐は左驍衛将軍の唐弘実を派遣し、嗣沢王李溶と共に使節として、胡特勤を冊立して「愛登里羅汨没蜜施合句録毘伽彰信可汗」としました。

835年6月には、太和公主のもとに馬射女子7人と沙陀小児2人を献上し、唐との友好的な関係を維持しようとしました。

しかし、国内では権力闘争が絶えませんでした。837年、回鶻宰相の安允合は、特勤（テギン）の柴革と共に彰信可汗を簒奪しようと企てましたが、事前に露見し、柴革と安允合は処刑されました。

839年、宰相の掘羅勿（キュレビル）は、彰信可汗が柴革と安允合を誅殺したことを恨み、沙陀族を招き寄せて彰信可汗を攻撃しました。これにより、彰信可汗は自害し、国人は㕎馺特勤を新たな可汗として擁立しました。

可敦（カトゥン：皇后）

仁孝端麗明智上寿可敦（太和公主）：憲宗の娘であり、穆宗の妹。レビラト婚によって彰信可汗に嫁ぎました。

彰信可汗の治世は、回鶻可汗国が衰退に向かう時期であり、唐との関係を維持しながらも、国内の権力争いに翻弄された時代でした。彼の死後、回鶻可汗国はさらに混乱を深めていくことになります。

脚注

『旧唐書』
『新唐書』

参考資料

『旧唐書』（列伝第一百四十五 迴紇）
* 『新唐書』（列伝第一百四十二下 回鶻下）

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