彼方からの風

彼方からの風

『彼方からの風』（かなたからのかぜ）は、日本のシンガーソングライター杉山清貴による7枚目のオリジナル・アルバムです。本作は1992年9月25日にワーナーミュージック・ジャパンのembarkレーベルからリリースされました。杉山がプロデューサーとして手掛け、エグゼクティブ・プロデューサーには藤田浩一と三野明洋が名を連ねています。前作『moonset(優しくなれるまで)』から約1年3か月を経ての新作となっており、ファンの期待が高まる中でのリリースでした。

レコーディングは日本国内で行われ、多くの著名なミュージシャンがその制作に参加しました。特に河内淳一、村田和人、BEGINといった実力派が関わり、楽曲の深みを増しています。さらに、作詞は杉山自身のほか、松井五郎や亜蘭知子、田口俊、青木久美子、秋元康など多彩な作詞家が参加し、豊かな表現がなされています。作曲においては杉山と林仁がリードし、ジェフ・ファイファーとロブ・ファイファーが初めてアルバムに参加する形となりました。

本作はオリコンチャートにおいても19位という好成績を収め、楽曲のクオリティが広く認知されました。アルバムのキャッチコピー『ラジオは、ひと夏じゅうずっと、あの歌を流していた。』は、特に夏の思い出を連想させ、聴く人々の心に深く印象付けています。

リリース情報

初回はCDとCTの2つの形態でリリースされ、特典としてパーティー参加応募はがきが封入されていたため、ファンの間での注目度がさらに高まりました。2016年5月25日には、デジタルリマスター版がリリースされ、特典として先行シングル「夏服 最後の日」のカップリング曲「花と虹と星の街」も新たに収録されています。これにより、昔のファンはもちろん、新たに杉山の音楽を知る世代にもアプローチすることができる一枚となりました。

批評と評価

音楽批評サイト『CDジャーナル』では、アルバムの楽曲に対して「落ち着いたメロディーと、ダブル・ヴォイスなどを駆使した丁寧なヴォーカルが印象的で、貫禄が漂っている」と評価されています。また、アルバム全体の構成が良く、聴く者を引き込む力があるとも言われており、杉山清貴の実力を改めて証明する作品となっています。

収録曲

アルバムには多彩な楽曲が収録されており、リスナーにさまざまな感情を呼び起こす内容となっています。1992年版CDおよびCTの収録曲に加え、2016年版にはボーナストラックも含まれています。

まとめ

このアルバム『彼方からの風』は、杉山清貴の才能が一つの形に集約された作品であり、音楽史に残る名盤として評価されています。その魅力を感じるため、ぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。

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