往生院 (長野市)

蓮池山往生院について

往生院は、長野県長野市権堂町に位置する浄土宗の寺院です。山号は蓮池山と称し、本尊として円光大師（法然上人）像を祀っています。この寺院は、善光寺七名所（七寺）の一つであり、また、善光寺七福神の弁財天が安置されていることでも知られています。

歴史

往生院の地は、かつて低湿地であり、蓮池が存在していました。平安時代初期には、弘法大師が善光寺参詣の折に寶乗寺を建立したと伝えられていますが、その後衰退しました。建久8年（1197年）には、源頼朝が善光寺に参詣した際、蓮池の美しい蓮の花に魅了されたとされています。その2年後には、法然上人がこの地に庵を構えて滞在しました。しかし、法然上人は間もなく京都へと帰ってしまいます。

宝治2年（1248年）、法然上人の孫弟子である記主良忠が善光寺を訪れ、この地が法然上人ゆかりの地であることを知り、法然上人の像を祀る寺を建立しました。これが往生院の開山に関する伝説です。往生院は、かつてこの地にあったとされる西方寺の末寺であり、また、秋葉神社も元々は往生院の境内にありました。

永正元年（1504年）に誠誉が西方寺を現在の場所に移転させると、元の地には弁天社と往生院が残されました。永正10年（1513年）には、誠誉によって大破していた往生院が再興されました。

寛永19年（1642年）5月に善光寺本堂が焼失した際には、一時的に善光寺本尊が往生院に安置されました。その後も何度か本尊の避難場所や仮御堂として使用され、その際には周辺が門前町として賑わいました。仮御堂が「権堂」と呼ばれていたことから、この地域一帯も権堂と呼ばれるようになったと伝えられています。

境内

往生院の境内には、以下のような建造物や史跡があります。

本堂（御影堂）：弘化4年（1847年）の善光寺地震で焼失しましたが、その後間もなく再建されました。
宇賀弁財天：この地にあった蓮池に祀られていたとされ、信州最古の弁財天です。芸能の守り神としても信仰されており、権堂が花街として栄えた時代には芸者衆の信仰を集めました。現在は善光寺七福神の一つとなっています。
庚申塔：万治元年（1658年）と元禄7年（1694年）のものが存在しますが、両方とも寛政12年（1800年）に再建されたものです。
百万遍供養塔：多くの人々の供養のために建てられた塔です。
漫画家・安本亮一の碑：漫画家の安本亮一（1901年 - 1950年）は、疎開中に信濃毎日新聞に漫画を掲載していました。

関連情報

往生院は、善光寺七寺の一つであり、以下の寺院もその一員です。

阿弥陀院宗光寺
光明院妙観寺
本願寺長野別院
時丸寺
十念寺
正覚院
無常院
明行寺

また、善光寺七福神としては、以下の寺社が挙げられます。

かるかや山西光寺 - 寿老人
大国主神社 - 大黒天
西後町秋葉神社 - 福禄寿
THE FUJIYA GOHONJIN - 布袋尊
西宮神社 - 恵比寿
* 善光寺世尊院釈迦堂 - 毘沙門天

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