本願寺長野別院

本願寺長野別院について

本願寺長野別院は、長野県長野市にある浄土真宗本願寺派の寺院で、同派の別院です。善光寺七寺に数えられることもあります。

歴史

寺伝によると、その起源は建久2年（1191年）に信濃源氏の若槻重勝が善光寺山内に深谷山蓮華院正法寺として創建したことに始まります。当初は普門山とも呼ばれていました。重勝は後に知覚と名を改め出家し、建暦2年（1212年）に親鸞の弟子となり「証誓」の法名を授かりました。その後、自らの領地である水内郡若槻荘東条に庵を結び、正法寺もそこに移されました。

1580年（天正8年）には、第7世釋明誓が長門町（現在の長野市）に正法寺を建立。1636年（寛永13年）には、同じく釋明誓の代に現在地の西後町へ移転しました。1772年（安永元年）には、第11世釋観式の時代に旧本堂が建てられました。

1871年（明治4年）の中野騒動を経て長野県が発足すると、正法寺には近代学校の先駆けとなる「長野県学校」が開設されました。これは長野県初の近代学校であり、後に各地に設立された郷学校の中心的な役割を果たしました。教員には旧松代藩士の山寺常山ら7名が名を連ね、漢学や算術などを教えていました。このように、地域に深く根ざした寺院として重要な役割を担っていました。

1925年（大正14年）に長野教区教務所が設置されると、正法寺は本願寺の直属寺院となり、本願寺長野別院と改称されました。

1974年（昭和49年）には、「親鸞聖人御誕生800年・立教開宗750年・長野別院創立50年慶讃記念事業」として現在の本堂が建立され、大谷光照門主（当時）によって『長野別院本堂落成慶讃法要』が執り行われました。さらに1995年（平成7年）には、本堂が再整備され、内陣・外陣、本堂内外装が一新。大谷光真門主（当時）により『長野別院創立70周年記念法要』が執り行われました。

境内

本堂
無量寿堂 - 本堂の階上に併設されている納骨所です。
庫裏 - 1985年（昭和60年）、「長野別院創立60年記念事業」として建設されました。1階は講堂を中心に、輪番室と事務所が併設されています。2階には会議室、講師室、客間、職員住宅があります。
鐘楼 - 境内で最も古い施設です。
駐車場（会館跡） - かつて鐘楼に隣接していた会館があった場所です。この場所には、もともと「別院附属長野中央幼稚園」がありました。これは明治時代の「多々恵日曜学校」の活動を前身とし、「中央幼稚園」(1937年～)、「別院附属長野幼稚園」(1945年～)と発展し、地域の子どもたちへの宗教教育の場として長く親しまれてきました。しかし、少子化の影響により2002年（平成14年）3月に閉園。その後、体操教室、少年少女合唱団、ビハーラ長野などの活動に貸し出され、地域における活動の場として活用されていましたが、2018年（平成30年）に建物が解体され、現在は駐車場として利用されています。

参考文献

『探訪 信州の古寺 浄土教・日蓮宗』1996年 郷土出版社

関連項目

* 善光寺七名所

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