征和

征和（せいわ）は、中国、漢代の武帝によって用いられた10番目の元号であり、紀元前92年から紀元前89年までの期間を指します。「延和」と記述されることもありますが、これは「延」の内部が「正」という、「征」の異体字であると考えられています。

征和年間の出来事

征和年間は、漢王朝にとって多事多難な時代でした。特に以下の出来事が特筆されます。

紀元前91年（征和2年）：巫蠱（ふこ）の禍

巫蠱の禍は、武帝の晩年に発生した大規模な政変です。皇后や皇太子（戾太子）が呪詛を行ったという嫌疑がかけられ、多数の処刑者が出ました。皇太子である戾太子も反乱を起こし鎮圧された末に自害するという悲劇的な結末を迎え、王朝に大きな混乱をもたらしました。

紀元前90年（征和3年）：李広利（りこうり）の匈奴遠征

武帝は匈奴に対する大規模な遠征を繰り返しましたが、李広利が率いる第三次遠征もその一つです。しかし、李広利は匈奴に敗北し、最終的には投降するという事態を引き起こしました。これは漢王朝の権威を大きく損なう事件となりました。

西暦との対照表


元号について

元号は、中国において皇帝の治世を区別するために用いられた紀年法です。元号を定めることで、新たな時代が始まったことを示し、政治的な刷新や皇帝の権威を示す意味合いがありました。征和という元号も、武帝の治世における特定の時期を象徴するものとして用いられました。

関連項目

* 元号一覧 (中国)

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