径書房

株式会社径書房について

株式会社径書房は、日本の出版社です。1978年に筑摩書房が経営破綻したことを受け、当時『展望』や『終末から』などの編集長を務めていた原田奈翁雄氏が退職し、1980年に創業しました。

創業と初期の活動

創業初期の径書房は、季刊誌『いま、人間として』を1982年から1984年まで発行していました。この雑誌は、当時の社会思潮を反映し、人間存在の根源的な問いに迫る内容で、多くの読者の注目を集めました。

出版ラインナップ

径書房は、社会、教育、音楽、文学など、幅広い分野の書籍を出版しています。以下に、主要な出版書籍の一部を紹介します。

1980年代

臼井吉見編『そのひと - ある出版者の肖像』
山代巴『囚われの女たち』シリーズ
林竹二『問いつづけて - 教育とは何だろうか』
高史明、岡百合子『いのちの行方 - 人間とは何か』
渡辺香津美、山下和仁『渡辺香津美山下和仁ギター対話』
吉岡紗千子『ロックよ、静かに流れよ』
上野英信集

1990年代

山代巴文庫　第二期
径書房編『『ちびくろサンボ』絶版を考える』
石牟礼道子『十六夜橋』
中山康樹『マイルスを聴け!!』
野村路子『15000人のアンネ・フランク - テレジン収容所に残された4000枚の絵』
杉山亮『ぼくは旅にでた - または、行きてかえりし物語』
文部省『民主主義 - 文部省著作教科書』

2000年代

リンダ・アクレドロ、スーザン・グッドウィン『ベビーサイン - まだ話せない赤ちゃんと話す方法 』
竹田青嗣『言語的思考へ - 脱構築と現象学』
内田樹『女は何を欲望するか?』
藤野美奈子、西研『不美人論』
ヘレン・バナーマン『ちびくろサンボ』

2010年代

小川康『僕は日本でたったひとりのチベット医になった - ヒマラヤの薬草が教えてくれたこと』
原田純『ちつのトリセツ 劣化はとまる』
Cocco『みなみのしまのはなのいろ』
小出裕章『フクシマ事故と東京オリンピック』

2020年代

矢崎泰久『タバコ天国 - 素晴らしき不健康ライフ』
* 谷川建司『イージー★ライダー敗け犬たちの反逆 - ハリウッドをぶっ壊したピーター・フォンダとデニス・ホッパー』

これらの書籍は、それぞれの時代における社会的な問題や文化的な潮流を捉え、読者に新たな視点を提供しています。

人事

1985年には竹井正和氏が入社し、後に社長となりますが、退社後、1989年に出版社リトル・モアを創業しました。1993年に原田奈翁雄氏が代表を退き相談役となり、2020年現在の代表取締役は、1989年に径書房に入社した原田純氏が務めています。

『ちつのトリセツ 劣化はとまる』

2017年に出版された『ちつのトリセツ 劣化はとまる』は、ヨーロッパ、アメリカ、インドでは常識である膣ケアについて、日本で初めて紹介した書籍として話題を呼びました。出版後には、Amazonの「書籍売れ筋ランキング」で1位を獲得するなど、大きな反響を呼びました。この書籍は、女性の健康に関するタブーに挑戦し、セルフケアの重要性を訴える内容で、多くの女性から支持されています。

径書房は、これからも社会に問いを投げかけ、新たな価値観を創造する出版活動を続けていくことが期待されます。

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