後志利別川

後志利別川（しりべしとしべつがわ）について

後志利別川は、北海道檜山振興局管内を流れ、日本海に注ぐ一級河川であり、後志利別川水系の本流です。特筆すべきはその水質の良さで、国土交通省が公表する一級河川の水質現況において、1987年から2012年までの間に通算14回も「水質が最も良好な河川」に選ばれています。これは全国の一級河川の中で最多の記録です。

流路

後志利別川は、北海道瀬棚郡今金町北東部、山越郡長万部町との境界に位置する長万部岳付近に源を発します。そこから南へ流れ、美利河ダムを通過した後は西へと流路を変え、久遠郡せたな町北檜山区兜野とせたな町瀬棚区南川の境界から日本海へと注ぎます。

河川名の由来

河川名の由来には諸説あります。アイヌ語の「ツウシベツ」（山の走り根・大きい・川）、「ト・ウシ・ベツ」（沼の多くある川）、「トゥッ・ペッ」（蛇川・縄川）、「チュシ・ペッ」（網・川）などが挙げられます。しかし、アイヌの伝承にも異なる意味が登場することから、これらの説はあくまで推定の域を出ないと考えられています。また、十勝川水系の利別川と区別するために、旧国名である「後志」を冠して後志利別川と命名されました。流域は現在檜山振興局管内ですが、かつては後志国の範囲に属していました。

流域の自治体

後志利別川の流域には、以下の自治体が含まれます。

北海道
瀬棚郡今金町
久遠郡せたな町

治水および利水

後志利別川の上流域には、後志利別川総合開発事業の中核として美利河ダムが建設されています。このダムは、出力4,000kWの発電能力を持ち、電力供給だけでなく、灌漑や洪水調節といった重要な役割を担っています。

主要ダム

美利河ダム

支流

後志利別川には、多くの支流が流れ込んでいます。主な支流は以下の通りです（括弧内は流域の自治体）。

ピリカベツ川（今金町、美利河ダムに流入）
ニセイベツ川（今金町、美利河ダムに流入）
チュウシベツ川（今金町、美利河ダムに流入）
珍古辺川（今金町）
上ハカイマップ川（今金町）
下ハカイマップ川（今金町）
メップ川（今金町）
左股川（今金町）
チブタウシナイ川（今金町）
田代川（今金町）
トマンケシナイ川（今金町）
オチャラッペ川（今金町）
善右衛門沢川（今金町）
畑の沢川（今金町）
濁川（今金町）
馬場川（今金町）
パンケオイチャヌンペ川（今金町）
利別目名川（今金町、せたな町）
武沢川（せたな町）
ポン目名川（せたな町）
不逢川（せたな町）
トンケ川（せたな町）
冷水川（せたな町）
下の沢川（せたな町）
丸山川（せたな町）
鍼川（せたな町）
丸山川分水路（せたな町）
真駒内川（せたな町）
長淵川（せたな町）

並行する交通

鉄道

かつては、1987年3月16日まで国鉄瀬棚線が後志利別川に並行して走っていました。

道路

北海道道836号島牧美利河線
国道230号

主な橋梁

後志利別川には、多くの橋が架かっています。主な橋梁は以下の通りです。

美利河橋 - 国道230号
瑪脳橋 - 国道230号
花石橋 - 国道230号
中里橋
志文内橋
奥沢橋
住中橋 - 国道230号
住吉橋 - 国道230号
稲穂橋 - 北海道道232号今金北檜山線
田代橋
今金橋 - 北海道道263号八雲今金線
利別大橋
豊田橋
真栄橋 - 国道229号
兜野橋 - 北海道道740号北檜山大成線

注釈

関連項目

日本の川一覧
北海道の川一覧

外部リンク

* 函館開発建設部 後志利別川

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