後閑信一

後閑信一：不屈の闘志で競輪界を彩った名選手

後閑信一（ごかん しんいち）は、1970年5月2日生まれ、群馬県前橋市出身の元競輪選手。現在はスポーツ報知の専属評論家として活躍しています。日本名輪会会員であり、その卓越した技術と情熱で多くのファンを魅了しました。

生い立ちと競輪への道

幼少期、友人と自転車で競走した際に、変速機のない自転車で変速機付きの自転車を追い抜いた経験から、自転車競技に魅力を感じ始めました。前橋育英高等学校時代から自転車競技で頭角を現し、1988年の京都国体スプリント競技で優勝するなど、輝かしい実績を積み重ねました。これらの実績が認められ、競輪学校には技能免除で入学。65期生として、競輪選手としてのキャリアをスタートさせました。

選手としての活躍

競輪学校卒業後、群馬県を拠点に選手としてデビュー。同期には吉岡稔真など強豪選手が名を連ねる中、後閑もその実力をいかんなく発揮し、KEIRINグランプリには1996年と1997年に連続出場を果たしました。1996年と2001年には共同通信社杯[[競輪]]で優勝しましたが、GIタイトルには長く縁がなく、不思議な存在として見られていました。

GIタイトル獲得への挑戦

2005年、第46回競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦で、盟友・神山雄一郎の助けを得て、念願のGI初優勝を成し遂げました。この年のKEIRINグランプリ05では、優勝賞金よりも関東ラインの援護に徹する姿勢を見せ、結果として2着に入線。ゴール後に優勝を確信して手を挙げるという一幕もありました。

2006年には、地元開催の寬仁親王牌で、後輩の手島慶介の力を借りてGI2勝目を達成し、2年連続でKEIRINグランプリ06に出場。しかし、このレースでは手島への追走に失敗し、前年の不名誉を晴らすことはできませんでした。

東京移籍とベテランとしての進化

2007年、後閑は群馬から東京へと移籍。家族の事情が理由とされていましたが、実際には長女の都内進学のためでした。移籍後の本拠地である京王閣[[競輪場]]ではその強さを発揮し、記念競輪で3連覇を達成。そして、2013年のオールスター[[競輪]]では、最終バックから捲り上げるという圧巻のレース展開で、7年ぶりのGI優勝を果たしました。この時、43歳という年齢での優勝は、大会最年長記録に匹敵するものであり、40代以上の選手による「自力の決まり手」でのG1優勝は史上初という快挙でした。この優勝により、2014年のS級S班格付けも決定しました。

引退とその後

2017年、後閑は長年の選手生活に終止符を打ち、引退を決意しました。晩年は怪我に悩まされ、満足のいく結果を残せない日々が続いていました。2018年には、スポーツ報知の専属評論家に就任。また、日本名輪会にも入会し、解説者としても活動を開始しました。引退後も競輪界への貢献を続け、2019年にはレジェンドエキシビションレースに出場し、優勝を飾るなど、ファンを魅了し続けました。

後閑信一の競輪スタイル

現役時代の後閑は、当初は先行を得意としていましたが、晩年は追込を主体とするスタイルに変化しました。特に、神山雄一郎との連携は有名で、お互いを尊重し、レースを盛り上げる姿が多くのファンに愛されました。40代に入ってからは、大ギアを駆使した自力での競走を増やし、時には先行も見せるなど、ベテラン選手としては珍しいスタイルチェンジを見せました。これは、常に進化を求める彼の姿勢を表していると言えるでしょう。

エピソード

後閑はプロレスラーの蝶野正洋のファンであり、京王閣[[競輪場]]のアナウンサーからは「ジャパニーズ・ボス」という愛称で呼ばれていました。引退後には、現役時代に愛用していた工具を後輩選手に託すなど、競輪界への深い愛情を示しています。また、YouTubeチャンネルで自身の予想を披露した際には、高配当を的中させるという幸運も持ち合わせています。

主な獲得タイトル

2005年 - 競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦（小倉[[競輪場]]）
2006年 - 寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント（前橋[[競輪場]]）
* 2013年 - オールスター[[競輪]]（京王閣[[競輪場]]）

後閑信一は、その不屈の精神と卓越した技術で、競輪界に大きな足跡を残した名選手です。引退後も、評論家や解説者として、競輪界の発展に貢献しています。

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