琅邪郡

琅邪郡（ろうやぐん）

琅邪郡は、中国にかつて存在した郡であり、秦代から唐代にかけて、現在の山東省東南部と江蘇省東北部にまたがる地域に設置されていました。

概要

紀元前221年、秦が中国を統一した際に、全国を36郡に分けましたが、その時に琅邪郡が置かれ、郡治は琅邪県に置かれました。

前漢時代には徐州に属し、51県を管轄していました。当時の戸数は22万8960戸、人口は107万9100人と記録されています。王莽の時代には填夷郡と改称されましたが、後漢の成立とともに琅邪郡の名称に戻りました。41年（建武17年）には、光武帝の子である劉京が琅邪王に封じられたため、琅邪郡は琅邪国に改められ、郡治は開陽県に置かれました。琅邪国は、開陽・東武・琅邪など13県を管轄しました。

晋の時代になると、琅邪国は開陽・臨沂など9県を管轄しました。南朝宋の時代には、琅邪郡は費・即丘の2県を管轄し、北魏時代には北徐州に属し、即丘・費の2県を管轄していました。北周時代には、北徐州が沂州と改称されたため、琅邪郡は沂州に属しました。

583年（開皇3年）に隋が郡制を廃止したことで、琅邪郡は沂州と改められました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、沂州は再び琅邪郡と改称され、臨沂・費など7県を管轄しました。621年（武徳4年）に徐円朗が唐に滅ぼされると、琅邪郡は唐の沂州となり、742年（天宝元年）には沂州が琅邪郡と改称されましたが、758年（乾元元年）に琅邪郡は沂州と改称され、琅邪郡の呼称は歴史から姿を消しました。

琅邪郡を本貫とする氏族

琅邪郡は、多くの著名な氏族を輩出しています。

琅邪王氏: 琅邪郡臨沂県を本貫とする氏族で、魏晋南北朝時代の門閥貴族として知られています。王導や王羲之などを輩出しました。
琅邪諸葛氏: 琅邪郡陽都県を本貫とする氏族で、諸葛亮などを輩出しました。
琅邪顔氏: 琅邪郡臨沂県を本貫とする氏族で、顔之推や顔師古、顔真卿などを輩出しました。
瑯琊鄭氏: 琅邪郡を本貫とする朝鮮の氏族です。

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