紀元前210年

紀元前210年の出来事

紀元前210年は、地中海世界と東アジアで重要な出来事が相次いだ年です。以下に、この年に起こった主な出来事をまとめます。

地中海世界

ヘルドニアの戦い: カルタゴの将軍ハンニバルが率いるカルタゴ軍が、南イタリアのアプリアでローマ軍を包囲し、殲滅するという大勝利を収めました。この戦いは、第二次ポエニ戦争における重要な局面の一つであり、ハンニバルの戦術的な才能が際立った戦いとして知られています。
マケドニアとローマの対立: マケドニアの王ピリッポス5世は、ハンニバルと同盟を結び、イリュリアに駐留していたローマ軍を攻撃しました。しかし、ローマ艦隊の抵抗にあい、コルフ島やアポロニアの占領には失敗しました。この結果、アエトリア同盟、スパルタ、ペルガモンのアッタロス1世がローマ側につき、対マケドニア連合を形成しました。これにより、ピリッポス5世はローマ領への攻撃を断念せざるを得なくなりました。地中海世界における勢力図が大きく変動し、ローマの覇権確立に大きな影響を与えた出来事でした。

中国

秦の始[[皇帝]]の巡行と死: 秦の始[[皇帝]]が大規模な巡行に出発しました。左丞相の李斯と末子の胡亥が同行し、右丞相の馮去疾が首都咸陽の留守を預かりました。始[[皇帝]]は各地を巡り、九疑山で虞舜の墓を祀り、長江を下り、海を渡り、会稽山で大禹を祭るなど、各地で様々な祭祀を行いました。しかし、帰路の途中で病に倒れ、沙丘の平台で死去しました。始[[皇帝]]の死は秘匿され、李斯と趙高が遺詔を偽造し、胡亥を二世皇帝に擁立しました。始[[皇帝]]の長男である扶蘇は、偽造された遺詔により自殺を強要され、蒙恬は投獄され、後に処刑されました。始[[皇帝]]の死は、秦王朝の動揺と混乱を招き、後の滅亡へと繋がる大きな転換点となりました。
始[[皇帝]]の葬儀: 9月には、始[[皇帝]]が驪山に埋葬されました。この陵墓は、壮大な規模と豪華な副葬品で知られ、始[[皇帝]]の権威を象徴するものとなっています。

その他の出来事

誕生: この年に生まれた人物に関する記録は見当たりませんでした。
死去:
秦の始[[皇帝]] (紀元前259年生まれ)。中国を統一した最初の皇帝。
ティベリウス・センプロニウス・ロングス (紀元前260年生まれ)。共和政ローマのコンスル。

まとめ

紀元前210年は、地中海世界でのカルタゴとローマの戦い、中国での始[[皇帝]]の死など、歴史の転換点となる出来事が起こった年でした。これらの出来事は、その後の歴史の流れを大きく左右し、後世に大きな影響を与えました。

この年は、各地域で政治的・軍事的な大変動が起こり、後世の歴史に大きな影響を与えることになった重要な年であると言えるでしょう。

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