徳大寺公信

徳大寺公信（とくだいじ きんのぶ）は、慶長17年（1612年）に叙爵し、江戸時代初期から前期にかけて朝廷で活躍した公卿です。清華家である徳大寺家の当主として、目覚ましい昇進を遂げました。

経歴

公信は、叙爵後、侍従や左近衛中将といった要職を歴任し、寛永3年（1626年）には早くも従三位となり、公卿の仲間入りを果たします。その後も、権中納言、踏歌節会外弁と順調に昇進を重ね、寛永16年（1639年）には正二位権大納言にまで昇りつめました。翌寛永17年（1640年）には、重要な役職である神宮伝奏に任じられています。

明暦元年（1655年）には、内大臣に任じられますが、翌年には辞任しています。万治3年（1660年）には右大臣に任じられ、その翌年には従一位を授与されました。寛文8年（1668年）には、ついに左大臣へと昇進しますが、翌年に辞職しています。延宝3年（1675年）には、70歳で出家し、朝廷への出仕を終えました。貞享元年（1684年）に79歳で薨去したとされていますが、天和元年（1681年）に薨去したという説もあります。

系譜

徳大寺公信は、徳大寺実久の子として生まれました。母は月明院で、右大臣織田信長の娘にあたります。妻は夏姫で、長州藩主毛利秀就の養女（岩国領主吉川広正の娘）です。長男は徳大寺実維（1636年 - 1682年）、次男は今出川公規（1638年 - 1697年）です。

徳大寺家について

徳大寺家は、藤原北家師実流にあたる名家で、代々朝廷において重きをなしました。公信もその一員として、朝廷に貢献した人物です。彼の功績は、徳大寺家の歴史においても重要な位置を占めています。

公信の生涯は、江戸時代初期の公家社会における昇進の典型的な例を示すとともに、当時の政治や文化、そして徳大寺家の動向を知る上で貴重な手がかりとなります。彼の足跡をたどることは、歴史への理解を深める上で有益であると言えるでしょう。

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