徳大寺実憲

徳大寺実憲は、享保3年（1718年）に叙爵され、清華家の当主として急速に昇進を果たしました。侍従、左近衛中将を経て、享保9年（1724年）には従三位となり、公卿の仲間入りを果たします。その昇進のスピードは目覚ましいものでした。

享保13年（1728年）には権中納言に任じられ、同年には昭仁親王（後の桜町天皇）が立太子されたことに伴い、春宮権大夫に任命されました。これは皇太子の補佐役として重要な役職です。さらに、享保16年（1731年）には権大納言に昇進し、正式に春宮大夫となりました。この間、実憲は皇太子の側近として、その成長を支える役割を担いました。

享保20年（1735年）、皇太子が即位し桜町天皇となると、実憲は春宮大夫を辞職しました。その後も朝廷に仕え、元文3年（1738年）には正二位に昇進しますが、元文5年（1740年）に病に倒れ、朝廷への出仕を控えるようになります。そして、同年中に27歳という若さで薨去しました。その早すぎる死は、周囲に惜しまれました。

実憲は、公卿徳大寺公全を父に持ち、母は家女房でした。妻は大洲藩主である加藤泰恒の娘であり、息子に徳大寺公城がいます。徳大寺家は、代々公卿を輩出してきた名門であり、実憲もその家柄にふさわしい活躍を見せました。

徳大寺実憲は、若くして高い地位に上り詰めながらも、志半ばで世を去った人物です。しかし、その短い生涯の中で、公卿として、また皇太子の側近として、重要な役割を果たしました。彼の存在は、徳大寺家の歴史においても、一際輝きを放っています。

関連情報として、徳大寺家についても参照ください。

もう一度検索