徳宗 (唐)

唐の第12代皇帝 徳宗

徳宗は、唐の第12代皇帝であり、代宗の長男として生まれました。父帝の代宗が即位すると、彼は大元帥に任じられ、安史の乱の鎮圧に尽力しました。764年には皇太子となり、779年に代宗の崩御を受けて皇帝に即位しました。

財政再建と改革への挑戦

即位後、徳宗は唐の財政再建に力を注ぎました。楊炎の進言を受け、両税法を施行し、税制改革に着手しました。また、節度使の勢力を抑制するため、兵力削減や世襲禁止といった大胆な改革を試みましたが、これが節度使たちの反発を招き、河朔三鎮や河南二鎮の反乱を引き起こしました。結果として、徳宗は長安を追われる事態に陥りました。

混乱と『罪己詔』

長安を追われた徳宗は、784年に『罪己詔』を発し、自らの過ちを認め、節度使に対する不介入を約束することで混乱を収束させました。この詔は、国民が戦乱に巻き込まれたのは自身の責任であるとして謝罪するものでした。しかし、徳宗の改革は短期間で失敗に終わり、かえって財政状況は悪化し、節度使の権力がさらに強まるという結果を招きました。

中興の治と教訓

徳宗の治世は、両税法の改革などから「中興の治」と評されることもありますが、具体的な成果は乏しいと言わざるを得ません。しかし、後世の憲宗による節度使抑制の成功は、徳宗時代の失敗を教訓とした結果であるとも言えます。徳宗の改革は、唐の歴史において重要な転換点となりました。

宗室

后妃

正室：王皇后（昭徳皇后）
側室：韋賢妃 - 韋会と永穆公主（粛宗の娘）のあいだの娘
側室：武妃
側室：王昭儀
側室：趙修儀
側室：王昭容
側室：王昭媛
側室：金修容
側室：崔充容
側室：楊充容

子女

長男：李誦（順宗） - 第13代皇帝
皇女：唐安公主
次男：文敬太子（邕王）李謜 - 李誦の実子
三男：舒王 李誼 - 初名は李謨、李适の弟の昭靖太子李邈の実子
四男：通王 李諶
五男：虔王 李諒
六男：粛王 李詳
七男：資王 李謙
八男：代王 李諲
九男：照王 李誡
十男：欽王 李諤
十一男：珍王 李諴

徳宗の生涯は、唐王朝の盛衰を象徴するものであり、その改革の試みと失敗は、後世に多くの教訓を残しました。

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