徳島県選挙区

徳島県 選挙区

徳島県選挙区（とくしまけんせんきょく）は、かつて日本の参議院議員通常選挙で用いられた選挙区の一つです。この選挙区は徳島県全域を区域としており、改選ごとに一人の議員を選出する一人区として機能していました。

第二次世界大戦後の日本の国会制度のもとで設置され、長年にわたり徳島県の代表を参議院に送り出してきました。しかし、議員一人あたりの人口較差を是正するための公職選挙法改正に伴い、平成28年（2016年）7月に執行された第24回参議院議員通常選挙からは、隣接する高知県選挙区と統合され、徳島県・高知県選挙区という合同選挙区の一部となりました。これにより、徳島県選挙区は単独の選挙区としては消滅し、その歴史に幕を下ろしました。

選挙区の概要

地域: 徳島県全域
定数: 2（改選1議席）

この選挙区では、3年ごとに改選される1議席を巡る選挙が実施されていました。

選挙結果の歴史

徳島県選挙区で行われた参議院議員通常選挙の主な結果を以下に示します。これらのデータからは、時代の変遷や政治情勢に応じた有権者数の推移や投票率の変動が見て取れます。

1947年（昭和22年）4月20日執行: 時の第1次吉田内閣のもと実施。当日有権者数471,425人に対し、投票率は49.21%でした（全国投票率61.12%）。
1947年（昭和22年）8月15日執行: 補欠選挙として実施。有権者数は不明ですが、投票率は27.50%でした。この補欠選挙で当選した議員の任期は3年でした。
1950年（昭和25年）6月4日執行: 第3次吉田内閣時。当日有権者数464,096人、投票率は69.79%と、前回通常選挙から大幅に上昇しました（全国投票率72.19%）。
1956年（昭和31年）7月8日執行: 第3次鳩山内閣時。当日有権者数500,662人、投票率は52.39%でした（全国投票率62.11%）。
1959年（昭和34年）6月2日執行: 第2次岸内閣時。当日有権者数514,539人、投票率は57.81%でした（全国投票率58.75%）。
1962年（昭和37年）7月1日執行: 第2次池田内閣時。当日有権者数508,436人、投票率は68.52%と、前回より10ポイント以上高い投票率となりました（全国投票率68.22%）。
1965年（昭和40年）7月4日執行: 第1次佐藤内閣時。当日有権者数508,554人、投票率は69.39%でした（全国投票率67.02%）。
1968年（昭和43年）7月7日執行: 第2次佐藤内閣時。当日有権者数525,110人、投票率は69.88%でした（全国投票率68.94%）。
1971年（昭和46年）6月27日執行: 第3次佐藤内閣時。当日有権者数556,877人、投票率は63.67%でした（全国投票率59.24%）。
1974年（昭和49年）7月7日執行: 第2次田中角栄内閣時。当日有権者数572,321人、投票率は78.46%と、高い投票率を記録しました（全国投票率73.20%）。
1977年（昭和52年）7月10日執行: 福田赳夫内閣時。当日有権者数587,108人、投票率は63.41%でした（全国投票率68.49%）。
1980年（昭和55年）6月22日執行: 第2次大平内閣時。当日有権者数601,648人、投票率は77.05%でした（全国投票率74.54%）。この選挙は衆参同日選挙として実施されました。
1983年（昭和58年）6月26日執行: 第1次中曽根内閣時。当日有権者数610,835人、投票率は49.81%と、前回から27ポイント以上の大幅な低下となりました（全国投票率57.00%）。
1986年（昭和61年）7月6日執行: 第2次中曽根内閣第2次改造内閣時。当日有権者数618,478人、投票率は70.27%と、前回から再び大幅に上昇しました（全国投票率71.36%）。この選挙も衆参同日選挙でした。
1989年（平成元年）7月23日執行: 宇野内閣時。当日有権者数627,707人、投票率は65.59%でした（全国投票率65.02%）。
1992年（平成4年）7月26日執行: 宮澤内閣時。有権者数、投票率のデータは不明ですが、全国投票率は50.72%でした。
1995年（平成7年）7月23日執行: 村山内閣時。当日有権者数652,353人、投票率は47.14%でした（全国投票率44.52%）。
1998年（平成10年）7月12日執行: 第2次橋本改造内閣時。当日有権者数661,092人、投票率は56.91%でした（全国投票率58.84%）。
2001年（平成13年）7月29日執行: 第1次小泉内閣時。当日有権者数668,446人、投票率は57.24%でした（全国投票率56.44%）。
2004年（平成16年）7月11日執行: 第2次小泉内閣時。当日有権者数669,529人、投票率は54.60%でした（全国投票率56.57%）。
2007年（平成19年）7月29日執行: 第1次安倍内閣時。当日有権者数667,524人、投票率は58.46%でした（全国投票率58.64%）。
2010年（平成22年）7月11日執行: 菅直人内閣時。当日有権者数658,828人、投票率は58.24%でした（全国投票率57.92%）。
2013年（平成25年）7月21日執行: 第2次安倍内閣時。当日有権者数651,117人、投票率は49.29%でした（全国投票率52.61%）。これが徳島県選挙区として単独で実施された最後の通常選挙となりました。

これらの選挙結果の推移からは、時期による政治への関心の高まりや、衆参同日選挙といった要因が投票率に大きな影響を与えていたことがうかがえます。

現在の状況

前述の通り、徳島県選挙区は2016年以降、単独の選挙区としては存在せず、新たに設置された「徳島県・高知県選挙区」の一部となっています。合同選挙区における選出議員の状況については、関連項目である「徳島県・高知県選挙区」を参照してください。