徳川頼韶

徳川頼韶

徳川頼韶（とくがわ よりあき）は、1917年12月3日に生まれ、1958年12月6日に41歳で亡くなった、紀州徳川家第17代当主です。

生涯

頼韶は1917年（大正6年）に、徳川頼貞と島津忠義の十一女・為子の長男として、東京府東京市芝区白金三光町（現在の東京都港区白金）で生を受けました。父である頼貞にとっては唯一の男子でしたが、生来病弱であったと伝えられています。

1936年（昭和11年）の夏、頼韶は母方の伯父である島津忠重夫妻の北海道旅行に同行しました。この旅行は、島津家が経営する富良野農場（現在の上富良野町）の視察が主な目的でしたが、北海道庁真駒内種畜場や王子製紙苫小牧工場、日本製鋼所室蘭製作所などの見学も行われました。また、五稜郭や登別温泉、洞爺湖といった北海道の名所も巡り、約2週間の滞在中、愛用のローライフレックス4×4オリジナルカメラで150枚もの写真を撮影しました。帰京後、これらの写真から30枚を選び出し、『北の旅』として出版しました。

学業においては、1940年（昭和15年）に学習院高等科を卒業後、神戸商業大学（現在の神戸大学）に進学しました。

1954年（昭和29年）に父・頼貞が亡くなると、家督を継承し、紀州徳川家の当主となりました。

1958年（昭和33年）12月6日、東京都で41歳という若さで生涯を閉じました。父と同様にキリスト教式の密葬が執り行われ、遺体は寛永寺真如院に納骨された後、長保寺にある和歌山藩主徳川家の墓所に埋葬されました。戒名は常照院殿。頼韶は生前結婚歴がありましたが、死別により離婚しており、子はいませんでした。そのため、義弟である剛が為子の養子となり、家督を継ぐこととなりました。

著書

『北の旅』（出版年不詳、北海道立図書館所蔵）

参考文献

上田正一『上田貞次郎伝』 泰文館、1980年、260頁。
『上田貞次郎日記（壮年編）』 上田貞次郎日記刊行会、1964年、554頁。
霞会館華族家系大成編輯委員会編『平成新修旧華族家系大成』下巻、霞会館、1996年、169頁。

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