徳永昌勝

徳永昌勝（とくなが まさかつ）

徳永昌勝は、慶長10年（1605年）に生まれ、承応3年9月28日（1654年11月7日）に没した、江戸時代前期の旗本です。美濃国高須藩の二代藩主・徳永昌重の長男として生まれました。母は下間頼龍の娘であり、正室には新発田藩主・溝口宣勝の娘を迎えました。子に徳永昌崇と徳永昌貞がいます。幼名は萬吉、官位は従五位下、下総守を授けられました。

生涯

昌勝は高須藩の嫡子として生まれ、寛永2年（1625年）に叙任されました。しかし、寛永5年（1628年）に父・昌重が大坂城石垣普請の助役工事の遅延を理由に幕府から所領を没収され、高須藩は改易となりました。この処分に連座する形で、昌勝も同年3月15日に正室の実家である新発田藩の溝口家に預けられることになります。

これは、当時の大名や旗本が連帯責任を負うという制度の中で、親の失態が子供にも及んだ典型的な事例です。昌勝は藩主の嫡子という立場から一転、預かりの身となり、不遇の時代を送ることになりました。

その後、昌勝は慶安元年（1648年）に幕府から赦免され、2000俵の知行を与えられ、寄合に列することになります。これは、昌勝自身に罪があったわけではなく、父の失態による連座であったため、時を経て名誉回復がなされたと解釈できます。彼は、失われた家を再興する機会を得たと言えるでしょう。

承応3年（1654年）に50歳で亡くなり、法名は自源とされました。墓所は東京都港区の青松寺にあります。昌勝の死後、子孫は旗本として2200石を領し、家を存続させました。

人物

昌勝は、高須藩の嫡子として生まれ、将来を嘱望されていましたが、父の失脚により不遇の時代を過ごしました。しかし、その境遇にも屈することなく、赦免後は旗本として家を再興し、子孫に繋げました。彼の忍耐力と不屈の精神は、後世に語り継がれるべきでしょう。

徳川幕府における旗本の役割

旗本とは、江戸幕府において将軍に直接仕える武士のことで、大名よりも身分は下でしたが、幕府の重要な役職を担うこともありました。旗本の家格は、領地の石高によって定められ、徳永家のように2000石以上の旗本は、幕府の行政や軍事において重要な役割を果たしました。徳川幕府において旗本は、幕府の安定を支える重要な存在でした。

まとめ

徳永昌勝は、高須藩主の嫡子として生まれながらも、父の失脚により苦難の道を歩みましたが、赦免後は旗本として家を再興しました。彼の生涯は、江戸時代の武士のあり方や、幕府の制度の一面を映し出すものと言えるでしょう。彼の忍耐と不屈の精神は、私たちに多くの教訓を与えてくれます。

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