心の旅路 (テレビドラマ)

『心の旅路』は、1975年11月4日から1976年1月27日まで日本テレビ系列の『火曜劇場』枠で放送されたテレビドラマです。全13回にわたり、視聴者の心を捉えました。

概要

本作は、ジェームズ・ヒルトンの小説『心の旅路』を原作とし、山田信夫が脚色を手掛けた作品です。舞台を1960年頃の秋田県に置き換え、記憶喪失という普遍的なテーマを、日本の美しい風景の中で描き出しています。

あらすじ

東京でOLとして働く岡島紀子は、愛に傷つき、故郷の田沢湖町へ帰る決意をします。角館駅で列車を待つ間、彼女は睡眠薬を求めますが、そこで林和雄と名乗る男性と出会います。彼は精神病院を抜け出してきたと言い、怯えた様子を見せる彼を、紀子は思わず助けてしまいます。実は、彼の本名は村沢武彦。飛行機事故で記憶を失っていたのでした。

林和雄として紀子と結婚し、静かに暮らしていましたが、ある日交通事故に遭い、記憶が蘇ります。しかし、同時に林和雄としての記憶、そして紀子との記憶を失ってしまうのです。その後、武彦は大東商事の社長となり、紀子は社長秘書として彼の傍に再び身を置くことになります。そんな中、武彦は浅川産業社長令嬢・浅川真弓との結婚話に心が揺れ動きます。

こだわりの演出

当時駅舎建て替え前だった角館駅でのロケでは、駅舎取り壊しを1日延期して撮影が行われました。また、村沢邸のセットには宮内庁の払い下げ品や旧財閥の使用していた品など、貴重な小道具が使用され、ドラマに重厚感を与えています。

女の旅路シリーズ

本作は『女の旅路シリーズ』の第一作であり、佐久間良子主演で『さすらいの旅路』『帰らざる旅路』と続きました。

キャスト

岡島紀子：佐久間良子
村沢武彦（林和雄）：江守徹
篠崎（精神科医）：北村和夫
道代：佐藤友美
村沢剛：志村喬
村沢京子：鮎川いずみ
村沢義則：入川保則
村沢章子：馬渕晴子
江崎：小栗一也
浅川謙三：河村弘二
浅川真弓：中田喜子
津上：永井秀和
速水刑事：勝部演之
賀原夏子
伊藤敏孝
島かおり

スタッフ

原作：ジェームズ・ヒルトン
プロデューサー：川原康彦
脚本：山田信夫、重森孝子
演出：嶋村正敏、佐光千尋
制作：日本テレビ

主題歌

『愛ふたたび』 歌：竹野美千代

『心の旅路』は、記憶、愛、そして運命という普遍的なテーマを、美しい映像と豪華なキャストで描き出した、記憶に残る名作ドラマです。

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