心城院 (文京区)

心城院について

心城院（しんじょういん）は、東京都文京区湯島に位置する天台宗の寺院です。本堂には大聖歓喜天が祀られており、一般的には「湯島聖天」との名でも知られています。この寺には他にも十一面観音菩薩や宝珠弁財天、出世大黒天など、多様な神仏が奉納されています。また、心城院は「江戸三十三観音札所第七番札所」にも選定されています。

歴史

心城院は1694年（元禄7年）に宥海によって創建されました。宥海は湯島神社の別当寺である北野山梅園寺喜見院の第三世であり、菅原道真との深い関係がありました。彼は大聖歓喜天を安置するための小堂「宝珠弁財天堂」を設けたことから、心城院の歴史が始まりました。

本尊の大聖歓喜天の像は、比叡山から勧請された慈覚大師円仁によって作られたと伝えられています。享保期には寺の維持のために幕府から発行された「富くじ」が普及し、当時は谷中感応寺、瀧泉寺とともに「江戸の三富」として多くの庶民に親しまれ、にぎわいを見せていました。

しかし、明治維新に伴う神仏分離政策の影響で、「喜見院」は廃寺となり、湯島神社との繋がりも断たれました。その後、「宝珠弁財天堂」は「心城院」と改称され、天台宗にかかわりを持って再出発しました。

寺院の特徴

心城院の境内には、湧水「柳の井」が存在し、このことから「柳井堂」（りゅうせいどう）とも呼ばれています。また、元禄の時代から縁起がよいとされる亀が放たれ、現在でも「亀の子寺」として親しまれる場所となっています。心城院は、何度も発生した江戸の大火や関東大震災、東京大空襲など数々の災害を乗り越え、その法灯を伝えることに成功しました。しかし、近年その本堂や庫裏の老朽化が目立つようになり、改修工事も行われました。

寺院を出て右に進むと、湯島天満宮の境内につながる男坂があります。これは観光地としての魅力も高めています。

行事

心城院では毎月1日と16日に縁日が行われ、特に「聖天さま」の浴油祈祷が厳修されます。この祈祷行事は一般には公開されていませんが、1月、5月、9月の16日には大般若転読法要が行われ、多くの信者が訪れます。

交通アクセス

心城院へは、東京メトロ千代田線の湯島駅から徒歩2分です。便利な立地も多くの訪問者にとって魅力の一部と言えるでしょう。

関連情報

心城院は他にも多くの文化的な側面を持つ寺院で、周辺には湯島天満宮や天神信仰に関連する歴史があります。富くじなども心城院にゆかりの深いテーマです。

心城院の訪問は、歴史ある寺院の魅力を再発見する一歩になるでしょう。

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