必殺! THE HISSATSU

必殺! THE HISSATSU

『必殺! THE HISSATSU』は、1984年に公開された「必殺シリーズ」の劇場版作品。テレビドラマ『必殺仕事人IV』をベースに、シリーズ通算600回を記念して製作されました。監督は貞永方久。

作品解説

本作は、必殺シリーズならではの殺しの様式美や、バラエティに富んだ演出がバランス良く盛り込まれた、テレビシリーズの豪華拡大版とも言える作品です。公開当時、「テレビドラマの映画版は当たらない」というジンクスを覆し、ヒットを記録。以後、年一回のペースで劇場版シリーズが製作されるきっかけとなりました。

1985年にはテレビ放送もされ、高視聴率を獲得しています。

あらすじ

江戸の町で、六文銭を口に咥えた身元不明の死体が次々と発見されます。中村主水は、それが仕事人の成れの果てであることを見抜き、仲間に警告します。そんな中、遊女のお君が、愛猫を殺された恨みを晴らすため、女郎屋の主・伝次殺しを加代に依頼しますが、主水たちは依頼を断ります。

その夜、お君は伝次の密談を聞いてしまい、命を落とします。お君に同情した秀は伝次を仕掛けますが、そこに蝶を飛ばす仕事人が現れ、伝次を仕留めます。一方、主水の前に現れたお葉は、金儲けを持ちかけ、主水を六文銭一味に誘います。そして祭の日、仕事人たちが次々と殺され、一連の事件の黒幕が庄兵衛という男であることが判明します。庄兵衛は、闇の世界から足を洗うか、江戸から立ち去るか、さもなくば死ぬか、という選択を迫ります。

庄兵衛との戦いに備え、仕事人たちは助っ人を探し始めるのでした。

登場人物

中村主水: 藤田まこと
飾り職人の秀: 三田村邦彦
何でも屋の加代: 鮎川いずみ
西順之助: ひかる一平
三味線屋の勇次: 中条きよし
おりく: 山田五十鈴
庄兵衛: 石堂淑朗
絵日傘のお葉: 中井貴恵
此竹朝之助（蝶々の朝吉）: 片岡孝夫（現・十五代目仁左衛門）

スタッフ

監督: 貞永方久
脚本: 野上龍雄、吉田剛
音楽: 平尾昌晃

主題歌

鮎川いずみ「花の涙」

技

本作では、おなじみの中村主水、秀、勇次、おりくに加え、瓦屋の夫婦である政とおよねが協力して瓦を武器に戦うなど、多彩な殺しの技が披露されます。人形遣いの朝吉は、蝶の形に切った紙吹雪を舞わせながら、扇子に仕込んだ刃で敵を仕留めます。

受賞

第8回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞 - 菅井きん

備考

本作には、赤塚不二夫が仕事人役で出演しており、殺し技の解説シーンでは、赤塚不二夫の漫画が使用されるなど、遊び心あふれる演出も見られます。

もう一度検索