捨三

キャラクター捨三（すてぞう）について

捨三は、人気テレビシリーズ『必殺仕置屋稼業』およびその続編『必殺仕業人』に登場するキャラクターです。彼を演じたのは俳優の渡辺篤史で、シリーズの中で重要な役割を果たしました。捨三の出身地は信州で、過去に中村主水（藤田まこと）と知り合った仲間です。主水が裏稼業を再開したいと考えている際、彼を手助けするために友人の破戒僧・印玄（新克利）を紹介します。さらには、一匹狼の殺し屋・市松（沖雅也）とも出会い、物語が展開していきます。

役割と性格

捨三は殺しの実行には参与せず、仕置屋の密偵として活動します。主にターゲットに関する情報を収集し、仕置を行う際の段取りを組む役割を担っています。さらに、変装をして囮になることもあり、主水たちのサポートを行います。彼の表稼業は、銭湯「竹の湯」で釜場の仕事をしています。この場所は、実質的に仕置屋グループの隠れ家になっています。

捨三は主水に対して強い敬意を示しながら、外道な仕事を一切引き受けないという信念を持ち続けています。また、彼は普通の青年らしく、絵草子に夢中になったりする一面もあります。独身で女性との関係についてはほとんど描かれることがなく、主水の夫婦関係を見聞きした影響から「所帯を持ちたくない」との発言もしています。しかし、『仕業人』第12話では依頼人のお染に求婚したり、過去の初恋と再会して落ち込む場面も描かれています。

物語の進行と展開

『必殺仕置屋稼業』の最終回にて、捨三は仲間の印玄やおこう（中村玉緒）と共に睦屋一味との対決に臨みます。しかし、その結果として仲間が亡くなるという厳しい展開が待ち受けます。市松は密告により捕らえられ、仕置屋も崩壊してしまいますが、捨三は江戸に留まり裏稼業を続けることになります。

さらに、彼は逃亡中の浪人で大道芸人の赤井剣之介（中村敦夫）を仲間に加え、仕業人グループを結成します。表稼業は銭湯の仕事から色街専門の洗い張り屋へと移行し、隠れ家も彼の店の物干し場として利用されるようになります。

最終回では、剣之介とお歌（中尾ミエ）の仇討ちを遂げた後、捨三は江戸を離れます。その後の彼の消息は明らかになっていません。

制作背景と演技

捨三は、『必殺仕置人』や『暗闇仕留人』に登場したキャラクターたちと異なり、主水に対して忠実に従う性格として描かれています。時には主水と意見が対立することもあり、劇中での深い人間関係を形成しました。演じた渡辺篤史は、チーフプロデューサーの山内久司からの推薦でこの役に起用されました。彼は本放送当時に多額の借金を抱え、それに伴う苦労の中で演技に臨んでいたことでも知られています。

シリーズを通じて、捨三のキャラクターは多くのファンに愛され、彼の物語線は必殺シリーズの中で印象的なものとなりました。

もう一度検索