志筑藩

志筑藩の概要

志筑藩（しづくはん）は、江戸時代において常陸国新治郡に位置していた藩で、現在の茨城県かすみがうら市中志筑に藩庁がありました。藩の領主には、本堂家が10代にわたって君臨しましたが、厳密には江戸時代の本堂家は8000石の大身旗本であり、真の意味での藩としての存在は明治維新期の短い期間だけでした。

藩史の詳細

本堂家は、源頼朝の子孫を名乗り、戦国時代には出羽国の本堂城を拠点にしていた小領主でした。彼らは関ヶ原の戦いで重要な役割を果たした本堂茂親を中心に、（特に戦国時代後期）出羽国での勢力を築いていました。関ヶ原の戦いの結果、慶長7年（1602年）に常陸国主の佐竹家が出羽国に転封されることとなり、本堂茂親は8500石の知行地を与えられて新治郡に移住しました。彼が志筑に住んだのは、笠松城を最初の拠点としていたとも報告されています。

寛永2年（1625年）、本堂茂親は領知朱印状を受け取ります。彼の子、栄親は正保2年（1645年）に家督を継ぐ際、弟の親澄に500石を分与し、知行高は8000石となりました。この年、志筑陣屋が築かれたことは記録されており、幕府における大名との関与が始まるきっかけとなりました。

その後、本堂家は寛文8年（1668年）に初めて知行地に赴く時間を得て、参勤交代が始まりました。この制度により、藩主は江戸に一定期間滞在し、幕府と幕府に仕える他の藩との関係を持つことが求められました。

7代目の本堂親房は、若年寄の四男として養子に迎えられ、19歳で家督を継ぎました。彼は幕府の重要な役職に就き、藩の発展にも寄与しました。しかし、安永7年（1778年）には、助郷の義務から村民が強訴を起こす事件が発生し、首謀者が処刑される悲劇もありました。これが「助六一揆」として知られています。

10代目の本堂親久は明治維新を迎えた際、石直しを経て新田2110石が認められ、総知行高は1万110石に達します。その後、明治4年（1871年）には廃[[藩置県]]が実施され、志筑藩は志筑県に改編され、最終的に新治県に再統合されました。

歴代領主の沿革

• - 本堂茂親 8500石。
• - 本堂栄親 - 弟の親澄に500石分与え、結果8000石となる。
• - 本堂玄親。
• - 本堂伊親。
• - 本堂苗親。
• - 本堂豊親。
• - 本堂親房 - 幕府の大番頭。
• - 本堂親庸。
• - 本堂親道。
• - 本堂親久 - 学業による新田2110石分の認可を受け、合計で1万110石の大名に列する。

幕末の状況

幕末の志筑藩の領地は、常陸国新治郡の20村に拡大し、そのうち2村は土浦[[藩]]に編入されました。明治維新後は旧幕府領5村や旧旗本領1村などが加わり、相給が存在するため、村数の合計とは一致しないこともありました。

また、志筑藩は幕末において新撰組隊士および後の御陵衛士たちの出身地としても知られています。

まとめ

志筑藩は数百年を超える歴史と、複雑な領主交代の中で築かれた豊かな文化と伝承を持つ場所です。その遺産は現在でも地域の歴史に根ざしています。

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