志紀

志紀地区：歴史と文化、そして現代

志紀地区は、大阪府八尾市の南部に位置する地域です。かつては南河内郡志紀町として独立していましたが、現在は八尾市に合併され、志紀町、志紀町西、志紀町南、天王寺屋、曙川東、二俣、老原、東老原、田井中、弓削町、弓削町南、西弓削といった地域を含みます。

歴史を刻む地

志紀地区の歴史は古く、律令制時代には河内国志紀郡に属していました。物部氏一族・弓削氏の本拠地であり、有名な弓削道鏡もこの地で生まれ育ったと伝えられています。曙川東には、道鏡ゆかりの由義寺跡が残されています。また、奈良街道（渋川道）の経由地として、古くから交通の要衝を担っていました。

柏原村との結びつきが強い地域でしたが、1704年大和川付け替えによって創設された天王寺屋新田、二俣新田が志紀郡に編入されたことで、地域構成は変化していきます。

1889年の市町村制施行により、弓削村、老原村、田井中村、天王寺屋新田、二俣新田が合併して志紀村が誕生。1909年には志紀駅が開業し、地域の発展に貢献しました。しかし、戦時中には大正飛行場の建設のために、地域の一部が強制的に買収されるという苦難も経験しています。1956年には町制施行、そして1957年には八尾市と合併しました。合併交渉においては、柏原町との合併も模索されていましたが、最終的に八尾市への合併が決定しました。

交通の要衝、発展を続ける街

志紀地区は、JR関西本線（大和路線）の志紀駅があり、国道25号（奈良街道）と国道170号（大阪外環状線）が交差する交通の要衝です。大阪外環状線と奈良街道は立体交差していますが、外環北方向へのアクセスには迂回が必要で、付近の踏切は自動車の一方通行となっています。近鉄大阪線は地区内には通っていませんが、近隣の恩智駅が利用可能です。

バス路線については、近鉄バスは八尾営業所があるものの地区内を運行する路線は廃止され、大阪バスがJR志紀駅東口から近鉄恩智駅、八尾市中心部などを結ぶ路線を運行しています。

地域の今

志紀地区は、JR志紀駅を中心に市街地が形成されています。中規模の店舗が多く、生活に便利な環境が整っています。地域内は概ね平坦ですが、旧大和川河川敷付近は土地が盛り上がっているのが特徴です。

主な施設としては、志紀駅周辺には八尾志紀郵便局、ライフ志紀店、スーパー万代志紀店などがあり、志紀町西には八尾市役所志紀出張所、志紀コミュニティセンター、八尾市立志紀図書館、八尾市消防本部志紀出張所、八尾市立志紀中学校、府営八尾志紀住宅などが立地しています。天王寺屋、曙川東、二俣には、八尾市立曙川東小学校、タカラスタンダード八尾工場、新田ゼラチン八尾工場などがあります。老原には八尾老原郵便局、御劔神社、東老原には関西電力八尾変電所、田井中地区には八尾市立志紀小学校、神劔神社があります。また、弓削地区には弓削神社があり、八尾空港や陸上自衛隊八尾駐屯地も近隣にあります。

まとめ

歴史と交通の便の良さ、そして生活利便性の高さから、志紀地区は八尾市南部における重要な地域となっています。古くからの歴史と現代の街並みが調和した、魅力的なエリアと言えるでしょう。今後も、発展を続けることが期待されます。

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