志茂山剛

志茂山剛：昭和時代の脇役俳優の軌跡

志茂山剛（しもやま つよし）は、1903年7月16日、秋田県で生まれました。生年は明らかですが、没年は不明です。

彼の経歴は、日本の映画史と深く関わっています。京都に移り住んだ後、勝見庸太郎に師事し、俳優としての道を歩み始めました。1922年には旧制東山中学校（現在の東山高等学校）を卒業しています。

1926年、師である勝見庸太郎が設立した「勝見庸太郎プロダクション」に参加。マキノ・プロダクションとの配給提携により、映画界へ本格的に進出しました。この頃には、島耕二と離婚した大谷良子と結婚しています。

その後、1937年に日活京都撮影所に入社。数多くの映画作品に出演しました。1942年には、戦時統合によって大映が設立され、日活京都撮影所は大映京都撮影所へと変わりましたが、志茂山は引き続き同社で活躍を続けました。

第二次世界大戦後には、高村将嗣（高村正次）の宝プロダクションを経て、宝塚映画製作所へ入社しました。1958年11月18日公開の木村恵吾監督作品『野良猫』が、彼の出演記録としては最後となりました。それ以降、消息不明となり、没年についても分かっていません。

幅広い役柄をこなした映画俳優

志茂山剛のフィルモグラフィーは多岐に渡り、時代劇から現代劇まで、様々な作品に出演しています。勝見庸太郎プロダクション時代には、監督勝見庸太郎、勝見正義作品を中心に、脇役として多くの作品に出演。マキノプロダクション配給作品も数多くあります。例えば『人間治郎吉』では「下剃」役、『軍太万才』では「医者竹村」役などを演じています。

日活京都撮影所時代には、数多くの名監督の作品に参加。荒井良平監督の『浮名三味線 第一絃』では「子分・ベロ亀」役、稲垣浩監督の『曠原の魂』や『出世太閤記』などにも出演しています。マキノ正博、稲垣浩監督作品といった大作にも脇役として参加し、作品に深みを与えました。

大映京都撮影所時代には、『維新の曲』、『大阪町人』、『独眼龍政宗』などに出演。戦後の作品では、宝プロダクション、東映作品にも参加し、幅広いジャンルで活躍を続けました。宝塚映画製作所時代には、『暖風』、『天狗の源内』、『悲剣乙女桜』などに出演。内村禄哉、倉谷勇、野淵昶など、様々な監督の作品に参加し、晩年まで俳優として活躍しました。

現存するフィルムと不明な最期

彼の出演作品の中には、東京国立近代美術館フィルムセンターなどに所蔵され、現在も上映可能なフィルムも存在しますが、特に1940年代以前の作品については、現存しないものも多いと考えられます。

数多くの作品で、時代劇や現代劇における様々な役柄を演じ、日本の映画史に貢献した志茂山剛。その晩年の消息は不明であり、彼の生涯には謎が残されています。彼の功績は、残されたフィルムや記録から、後世へと伝えられていくことでしょう。

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