志駄義秀

志駄義秀

志駄義秀は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将で、上杉氏の家臣として知られています。上杉二十五将にも名を連ねる人物です。

生涯

永禄3年（1560年）、上杉氏の家臣である志駄義時の子として生まれました。しかし、永禄4年（1561年）に父・義時が第四次川中島の戦いで戦死したため、わずか2歳で家督を継ぐことになります。幼いため、祖父である春義が後見人となり、夏戸城主（現在の長岡市寺泊）となりました。しかし、春義も永禄6年（1563年）に亡くなり、母も早くに亡くしたため、母の実家である直江氏の庇護を受け、直江景綱の妻（後室）に養育されました。景綱の後室の幼女（養女であった可能性もあります）を娶るなど、直江氏との関係が非常に深い人物でした。天正6年（1578年）5月10日の上杉景勝の感状には、志駄氏は「直江一家之侍」と記されています。

成人後は上杉謙信に仕え、天正6年（1578年）に謙信が亡くなると、後継者争いである御館の乱で上杉景勝を支持し、戦功を挙げました。天正9年（1581年）には信濃国の大須賀氏の反乱を鎮圧し、天正10年（1582年）には越中国松倉城将として織田氏と対峙しました。その後は与板衆の筆頭として直江兼続の配下となり、文禄4年（1595年）には兼続の下で庄内経営に関与し、庄内金山の奉行や大宝寺城代などを務めました。慶長3年（1598年）には、上杉家の会津転封に従い、東禅寺城（現在の酒田市）将となり、5100石を知行しました。同年には、兼続の朝日軍道開削に尽力しています。

慶長5年（1600年）の慶長出羽合戦では、東禅寺城で最上義光を牽制しました。攻め寄せる池田盛周らを破り、最上領にまで侵入しましたが、西軍敗退の知らせを受け、撤退しました。しかし、翌慶長6年（1601年）には、前年の合戦で戦場に取り残され、最上氏に降伏していた尾浦城主の下吉忠に先導された最上義康軍に再び攻められ、防戦しましたが、敵わず開城し、米沢に撤退しました。戦後、高野山に蟄居を命じられました。

慶長8年（1603年）、上杉家に帰参し、荒砥城代となって1000石を知行しました。慶長12年（1607年）には、江戸幕府の指示によって一時的に再び蟄居しましたが、慶長16年（1611年）には再び帰参を果たし、侍大将となりました。慶長19年（1614年）にかけての大坂の陣にも出陣しています。元和8年（1622年）には諸司代・奉行郡代を歴任し、間もなく政務奉行（国家老）に就任しました。同年には、改易された最上家の仕置きにも奉行として関わっています。元和9年（1623年）に景勝が亡くなった後は、跡を継いだ上杉定勝に引き続き仕え、翌元和10年（1624年）には定勝の婚儀を取り仕切りました。

寛永9年（1632年）に亡くなりました。家督は次男の義繁が継ぎました。孫には義友がいます。また、子である秀富は上泉秀綱の婿養子となり、剣豪として知られる上泉家を継ぎ、上泉主水秀富と名乗りました。

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