池田盛周

池田盛周（いけだ もりちか）

池田盛周は、戦国時代から江戸時代初頭にかけての日本で活躍した武将であり、出羽国の飽海郡にある朝日山城を拠点としました。彼は大宝寺氏および最上氏の家臣として知られています。

出自

盛周の家系は平安時代中期に遡ります。その起源は、藤原秀郷の嫡流である藤原仲光が摂津国池田に土着し、ここから池田氏が名乗られるようになったと伝えられています。後の池田源三郎快光の子孫である池田秀盛は、平家に仕官したのち、源平合戦で敗れたため5人の兄弟と共に鳥海山麓に逃れ、建武年間に朝日山城を築いたとされています。盛周は秀盛から16代目の子孫にあたると言われ、家紋は「丸に揚羽蝶」です。

生涯

盛周は天文年間に生まれ、父は大宝寺氏に仕えていた池田盛国です。彼は3000町歩の領地を持ち、50騎の地侍を従えていました。若い頃から武将としての才能を発揮し、さまざまな戦に従軍して戦功を重ねました。

天正11年（1583年）、主君である大宝寺義氏が家臣の謀反により自害すると、盛周は最上義光と連携を取り、義氏の弟である義興に対抗しましたが、その結果所領を失いました。しかし後に許され、再び所領を安堵されることとなりました。義興の死後、盛周は天正16年（1588年）に朝日山城にて最上勢として十五里ヶ原の戦いに参加し、上杉氏家臣本庄繁長との戦闘に臨みました。最終的には降伏を余儀なくされましたが、義勝には再び所領を認められました。

天正18年（1590年）、豊臣秀吉による太閤検地の際、盛周は農民の土一揆に加わりました。この際に朝日山城は一揆の拠点となり、後に敗れて鮭延城主である鮭延秀綱のもとに逃げました。この時から彼は「悪次郎」と名乗り、治水事業に従事し、成功を収めました。

慶長5年（1600年）には慶長出羽合戦が起こり、息子である盛邦と舎弟の忠内と共に再度朝日山城に籠もりましたが、上杉家臣の志駄義秀との戦闘で敗色が濃くなりました。しかし、同年の関ヶ原の戦いで東軍が勝利を収めたため、盛周らはその影響を受けます。慶長6年（1601年）、志駄義秀が酒田東禅寺城を開城することとなり、盛周は最上氏の重臣への道を歩みます。彼の死亡年は不詳ですが、亡き後は荒瀬川の近くに埋葬されたと伝えられています。

元和8年（1622年）に最上家が改易されると、盛周の家は農業へ戻り、大肝煎の地位を長らく担い続けました。現在でも庄内地方には彼の家系を知る池田姓の人々が存在し、なかには庄内藩士や米沢藩士となった家系もあります。現在、池田讃岐守の甲冑などは酒田市立資料館に展示されており、歴史的な遺物となっています。

逸話

盛周は後世の文献から見ても、実直で正義感にあふれ、領民への思いやりを大切にした人物として語られています。太閤検地に反抗して一揆に加わった際、彼は自らを「悪次郎」と名乗り、治水のための堰を築いて現地を開発しました。この行動に感謝した住民たちは、彼の名を地名に残し「悪次郎」と称しました。

明治以降、地名が相応しくないとして変更を勧められたものの、住民の意志で変わることはありませんでした。彼が築いた堰は今も真室川北西の小叉川流域に残るものです。

さらに、酒田市新青渡に伝わる言い伝えには、盛周が逃亡の際に子を家老に託したという話もあり、彼にゆかりの地は今も残っています。このように、盛周の名は歴史の中で語り継がれ、多くの人々に影響を与えた武将として今に伝えられています。

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