思春期 (アルバム)

THE BOOMが1992年1月22日に発表した4枚目のアルバム『思春期』は、彼らの音楽キャリアにおいて重要なターニングポイントとなりました。

前作『JAPANESKA』で垣間見せた沖縄音楽への傾倒をさらに深め、その後の彼らを代表する楽曲となる「島唄」が収録されたことは、本作を語る上で外せません。ただし、後にシングルとしてリリースされた「島唄 (オリジナル・ヴァージョン)」は、1992年のベストアルバム『THE BOOM』に収録されたリミックスバージョンとは異なり、アルバム『思春期』に収録されているものがオリジナル版となります。

本作では、メンバー構成にも変化が見られました。収録曲全10曲のうち、「憂鬱なファーブル」は、これまでボーカルを務めてきた宮沢和史ではなく、ベーシストの山川浩司が歌唱を担当しています。これは、THE BOOMの新たな一面を示す試みだったと言えるでしょう。

また、沖縄方言で歌われた「島唄 (ウチナーグチ・ヴァージョン)」は、1992年の春にレコーディングされ、同年12月に沖縄限定で発売されました。このバージョンは、沖縄で大きな反響を呼び、THE BOOMの音楽が沖縄の人々に深く受け入れられるきっかけとなりました。2005年8月3日には、デジタルリマスター版が再発売され、ボーナストラックとして「島唄 (ウチナーグチ・ヴァージョン)」が収録されています。

アルバム発売後には、全国ツアー「SPECIAL」が1月31日から7月6日まで開催されました。前年6月から行われていた「出前ツアー」を終えたばかりのTHE BOOMでしたが、すぐにこのツアーを開始。ライブ会場では、開演前に香が焚かれ、民族音楽が流されるなど、当時の彼らがアジア音楽に関心を寄せていたことが窺える演出が施されていました。

『思春期』は、THE BOOMが沖縄音楽を自らの音楽に取り込み、新たな表現を追求した意欲作であり、「島唄」という代表曲を生み出した重要な作品として、今もなお多くの人々に愛され続けています。

関連情報
[THE BOOM]] MUSIC GALLERY：[https://www.five-d.co.jp/theboom/（ファイブ・ディーによるTHE BOOM公式サイト）
[THE BOOM]] DISCOGRAPHY：アルバム「思春期」の詳細ページ。[https://www.five-d.co.jp/theboom/discography/album/shishunki.html（視聴も可能）

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