恋のゲーム

ベイ・シティ・ローラーズ『恋のゲーム』： 輝きと翳りのはざまに

『恋のゲーム』（It's a Game）は、1970年代に一世を風靡したスコットランドのアイドルグループ、ベイ・シティ・ローラーズが1977年に発表した5枚目のスタジオ・アルバムです。デヴィッド・ボウイのプロデュースで知られるハリー・マスリンを迎え、新たなサウンドを追求した意欲作としてリリースされました。

人気絶頂期から転換期へ

アルバムはアメリカでゴールドディスクを獲得する成功を収めましたが、バンドの人気はピークを過ぎ、徐々に下降線をたどり始めていました。日本でも1977年7月13日にリリースされ、オリコンアルバムチャートで首位を獲得するものの、「人気も過熱気味」と評されるなど、変化の兆しが見え始めていました。

ヒットシングルとチャートの動向

アルバムからは、「夢の中の恋 (You Made Me Believe in Magic)」が先行シングルとしてリリースされ、Billboard Hot 100 で10位を記録しました。また、タイトル曲の「恋のゲーム (It's a Game)」は、オーストラリア、オーストリア、西ドイツなど各国のチャートでトップ10入りを果たし、国際的なヒットとなりました。しかし、イギリスではトップ10入りを逃し、バンドにとって初のトップ10入りを逃した全英シングルチャート入りのヒット曲となりました。

「恋のゲーム」のヒット後、「夢の中の恋」もシングルとしてリリースされましたが、前作ほどの成功には至らず、ベイ・シティ・ローラーズにとって最後の全英シングルチャート入りとなりました。アメリカでは、「愛をささやくとき (The Way I Feel Tonight)」もシングルカットされ、最後の Billboard Hot 100 入りを果たしました。

メンバーの変遷

アルバム制作時には、ギタリストのイアン・ミッチェルが脱退し、パット・マッグリンが加入するも、すぐにバンドを追われるというメンバーチェンジがありました。完成したアルバムは4人編成のバンドとしての作品とされています。

CD再発とボーナストラック

『恋のゲーム』は、2007年10月にボーナストラックを追加してCDで再発売されました。ボーナストラックには、「カッコー鳥 (Are You Cuckoo?)」、「青春に捧げるメロディー (Dedication)（レスリー・マッコーエン・バージョン）」、「愛をささやくとき（シングル・バージョン）」の3曲が収録されています。

収録曲

Side One
1. 恋のゲーム "It's a Game"
2. 夢の中の恋 "You Made Me Believe in Magic"
3. ハートで歌おう "Don't Let the Music Die"
4. ラヴ・パワー "Love Power"
5. 愛をささやくとき "The Way I Feel Tonight"

Side Two
1. ラヴ・フィーバー "Love Fever"
2. スイート・バージニア "Sweet Virginia"
3. 孤独の涙 "Inside a Broken Dream"
4. ダンス・ダンス・ダンス "Dance, Dance, Dance"
5. 炎の反逆 "Rebel Rebel"

CDボーナストラック
1. カッコー鳥 "Are You Cuckoo"
2. 青春に捧げるメロディー（レス・マッコーエン・バージョン） "Dedication (Les McKeown Version)"
3. 愛をささやくとき（シングル・バージョン）"The Way I Feel Tonight (Single Version)"

日本盤LPには「冷たいあの娘 (The Pie)」が追加収録されています。

メンバー

エリック・フォークナー – ギター、ボーカル
デレク・ロングミュアー – ドラムス、ボーカル
レスリー・マッコーエン – リード・ボーカル
スチュアート・"ウッディ"・ウッド – ベース、ボーカル

『恋のゲーム』は、ベイ・シティ・ローラーズの輝かしいキャリアの中で、変化と挑戦の時期に制作されたアルバムとして、その音楽性と歴史的意義において重要な作品と言えるでしょう。

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