恩給金庫

恩給金庫について

恩給金庫は、1938年（昭和13年）に設立された特殊法人です。その主な目的は、恩給や勲章に付随する年金（例えば金鵄勲章など）を受給しているものの、生活に困窮している人々に対して融資を行うことでした。

設立の背景

恩給金庫は、恩給金庫法（昭和13年3月31日法律第57号）に基づいて設立されました。設立時の資本金は3000万円でした。この法律では、恩給の権利を一般の金融業者に譲渡したり、担保に供したりすることを禁じていました。これは、困窮している遺族を高利貸しから守り、恩給金庫を通じて救済することを目的としていました。

業務と解散

恩給金庫は、第二次世界大戦後の1949年（昭和24年）に、その業務を国民金融公庫に引き継ぎ、解散しました。短期間の活動ではありましたが、当時の社会情勢を背景に、重要な役割を担っていたと言えるでしょう。

組織と運営

初代理事長には、拓務大臣などを歴任した児玉秀雄伯爵（児玉源太郎陸軍大将の子息）が就任しました。設立委員には、児玉氏のほか、石渡荘太郎大蔵次官、船田中法制局長官、下条康麿賞勲局総裁、そして陸海軍の人事局長である阿南惟幾と清水光美などが名を連ねていました。資本金は政府からの出資のほか、民間からも出資を受け、恩給債券という金融債の発行も許可されていました。

関連項目

特殊法人金庫'>金庫 (特殊法人)
庶民金庫'>庶民金庫

恩給金庫は、戦前の日本における金融制度の一端を示す事例として、その歴史的意義を理解することができます。

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