清水光美

清水光美

清水光美（しみず みつみ、1888年3月16日 - 1971年5月5日）は、大日本帝国海軍の軍人であり、最終階級は海軍中将です。長野県松本市出身で、旧制松本中学、海軍兵学校を卒業しました。

人事畑での活躍

海軍兵学校卒業後、清水は海軍省人事局に長く在籍し、人事畑でその才能を発揮しました。特に、人事局長時代には、大学の法学部や経済学部、高等商業学校などの卒業生を主計科士官として採用する「短期現役士官制度」を創案し、周囲の反対を押し切って導入しました。この制度は、多様な人材を海軍に取り込む上で大きな役割を果たしたと言われています。

太平洋戦争と真珠湾攻撃

太平洋戦争開戦時、清水は潜水艦隊である第六艦隊の司令長官を務めていました。真珠湾攻撃では先遣部隊の指揮官として、麾下の潜水艦隊を率いて特殊潜航艇による真珠湾突入作戦を指揮しました。

1942年2月には、マーシャル諸島のクェゼリン環礁で、アメリカ海軍空母「エンタープライズ」の艦載機による空襲を受け負傷しました。その後、治療のために軍令部出仕となりますが、間もなく第一艦隊司令長官に親補されます。

しかし、戦艦を中心とする第一艦隊には出撃の機会はなく、清水が再び前線に出ることはありませんでした。

陸奥爆沈事故と予備役編入

1943年6月8日、呉港沖の柱島泊地に停泊していた戦艦「陸奥」が原因不明の爆沈事故を起こしました。この事故の責任を取らされる形で、清水は第一艦隊司令長官を罷免され、翌年予備役に編入されました。

公職追放

1947年11月28日、清水は公職追放の仮指定を受けました。

年譜

1920年1[[2月1日]] - 海軍少佐に任官、第一艦隊参謀に就任。
1925年1[[2月1日]] - 海軍中佐に任官、潜水母艦「迅鯨」副長に就任。
1929年11月30日 - 海軍大佐に任官。
1930年2月5日 - 海軍省軍務局第二課長に就任。
1931年5月1日 - 軽巡洋艦「多摩」艦長に就任。
1931年1[[2月1日]] - 人事局第一課長に就任。
1934年11月1日 - 戦艦「伊勢」艦長に就任。
1935年10月31日 - 佐世保鎮守府参謀長に就任。
1935年11月15日 - 海軍少将に任官。
1936年1[[2月1日]] - 人事局長に就任。
1938年1[[2月15日]] - 第七戦隊司令官に就任。
1939年5月20日 - 第六戦隊司令官に就任。
1939年11月15日 - 海軍中将に任官。
1940年6月1日 - 練習艦隊司令官に就任。
1940年9月30日 - 第三遣支艦隊司令長官に就任。
1941年7月21日 - 第六艦隊司令長官に就任。
1942年7月14日 - 第一艦隊司令長官に就任。
1944年2月21日 - 予備役に編入。

栄典

1910年（明治43年）3月22日 - 正八位
1915年（大正4年）2月10日 - 正七位

参考文献

阿川弘之『軍艦長門の生涯』（下）新潮文庫 ISBN 4-10-111009-3
海軍歴史保存会編『日本海軍史』（第9巻）第一法規出版
水交会編『回想の日本海軍』原書房 ISBN 4-562-01672-8
外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』原書房 ISBN 4-8295-0003-4
杉本健『海軍の昭和史』文藝春秋 1982年

関連項目

大日本帝国海軍軍人一覧
長野県出身の人物一覧
短期現役士官

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