悪魔憑き

悪魔憑きとは

悪魔憑きとは、憑依の一種であり、心身が悪魔に乗っ取られ、周囲に害悪を及ぼす行動や、そのような行動をとる人を指します。悪魔に取り憑かれた者は、凶暴化したり、他人を呪ったり、普段とは全く異なる行動をとるようになると言われています。その結果、周囲の人々との関係が破綻したり、自殺などの悲劇を招くこともあります。また、悪魔憑きの影響は、周囲の自然や動物にも異変をもたらすとも考えられています。

アブラハムの宗教と悪魔

比較宗教学では、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教をアブラハムの宗教に分類します。これらの宗教では、悪魔の存在が認められており、悪魔憑きに関する記述も見られます。

サムエル記: イスラエルの王サウルは、悪霊に襲われ、ダビデに対して横暴な振る舞いを繰り返しました。しかし、ダビデを許した時に悪霊はサウルから去ったとされています。
トビト記: サラは、結婚相手を次々と殺してしまう悪魔アスモデウスに苦しめられていましたが、天使ラファエルの導きによって救われました。

キリスト教における悪魔憑き

キリスト教では、悪魔の憑依は信仰上の試練であると考えられています。普通の生活を送る人々でも、悪魔に憑依される可能性があるとされます。悪魔憑きと判断するには、慎重な識別が必要です。悪魔払いを行う際には、「識別と対応」を参考に、本当に悪魔憑きであるかを見極める必要があります。

悪魔から一方的に攻撃された例

以下の人物は、悪魔から一方的に攻撃されただけであり、悪魔憑きとは異なります。

ヨブ記: 正義の人ヨブは、悪魔サタンによって試練を与えられましたが、神への信仰を貫き救われました。
イエス・キリスト: イエスは荒野で悪魔の誘惑を受けましたが、打ち破り悪魔を退けました。（荒野の誘惑）
聖ピオ神父: イタリアの聖ピオ神父も、悪魔から攻撃を受けたとされています。

人権的観点からの注意

過去には、魔女狩りのように、実際には悪魔憑きではない人を、周囲がそうだと決めつけてしまうケースがありました。現代においては、人権的観点から、悪魔憑きというレッテルを貼ることの危険性を認識し、慎重な判断が求められます。

関連項目

エクソシスト
呪術医
悪魔払い
セイラム魔女裁判
狐憑き
映画『エミリー・ローズ』
小説『DDD』

もう一度検索