惣会所

惣会所（そうかいしょ）とは

惣会所は、江戸時代の大阪において、町政を担った惣年寄の役所として機能した施設です。町年寄が個々の自宅を役所とする江戸とは異なり、大阪では、北組、南組、天満組という郷ごとに惣会所が設けられ、惣年寄はそこに集まって事務を行いました。

惣会所の所在地と規模

各惣会所の所在地は、天満組が現在の大阪市北区天満7丁目、北組が中央区平野町3丁目、南組が中央区本町5丁目にありました。ただし、南組の惣会所は、享保の妙知焼で焼失したため、後に中央区南農人町1丁目に移転しています。

各惣会所は、およそ500坪ほどの広さがあったとされています。惣会所には、惣年寄の他に、様々な事務員が勤務していました。

惣代（そうだい）

惣代は、惣会所に住み込みで勤務した役人です。当初は、北組に3人、南組と天満組にそれぞれ2人でしたが、次第に人数が増え、最終的には北組7人、南組6人、天満組4人となりました。天満組は郷の規模が小さかったため、全体的に規模が小さかったようです。

惣代の成り立ち

惣代はもともと、各町の町代が、町奉行所に赴いて郷内の用事を済ませていました。町奉行所では、彼らを惣代と呼んでいました。しかし、町々の用事が多忙になったため、町代は人を雇って奉行所に出頭させるようになりました。この雇われた者が事務に熟達し、町代の代わりに用事を済ませるようになり、町奉行所では彼らを惣代と呼ぶようになりました。

惣代の待遇

惣代は、各郷から扶持銀をもらう雇人でしたが、後に惣年寄と同じく世襲制となりました。町々からの扶持銀は、後には町代に持参させたり、先取りしたりするようになり、その地位を利用した特権意識も生まれたようです。

惣代一人の収入は、郷によって違いはあるものの、年間で銀3貫目ほどでした。これに、年頭や八朔などの役得として1貫目ほどが加算され、合計で4貫目ほどの収入があったとされています。ただし、父子が同時に勤務する際には、若干の合力銀が支給されたようです。

手代（てだい）、物書（ものかき）、その他

惣代の下には、彼らを補助する手代がおり、惣代1人あたり手代1人の割合で配置されました。この手代は「若キ者」とも呼ばれていました。

また、書類の作成や整理を行う物書がおり、北組、南組にはそれぞれ3人、天満組には2人が配置されていました。後には、筆耕専門の筆工も設けられ、定期雇用と臨時雇用を合わせて、各郷に3人ずつが配置されました。

会所守は、会所の書類を保管する役目として、各郷に1人ずつ惣会所に住み込んでいました。

給与

物書以下の給料は、2ヶ月を1季として、1季ごとに200目が支給されました。

その他の人員

その他、小使人足として、北組、南組にそれぞれ21人、天満組に17人がおり、日々の労働量に応じて賃金が支払われていました。

このように、惣会所は、惣年寄だけでなく、様々な役職の人が働くことで、大阪の町政を支えていました。

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