惣滝

惣滝（そうたき）

概要

惣滝は、新潟県妙高市にある、日本の滝百選に選定された名瀑です。妙高山を源とする太田切川の上流、大倉沢に位置し、高さ80メートル、幅6メートルの直瀑として知られています。滝は、切り立った輝石安山岩（つばめ溶岩）の断崖から勢いよく流れ落ち、その景観は非常にダイナミックです。断崖には節理が露わになっており、周辺では地層の褶曲も見られます。滝の上流には、高さ8メートルほどの小さな滝も存在します。

特徴

惣滝の最大の特徴は、その圧倒的な迫力です。落差80メートルから一気に流れ落ちる水は、見る者に深い感動を与えます。また、滝を形成する断崖の岩肌も、自然の造形美を感じさせます。特に、節理が露出した岩肌は、地質学的にも興味深いポイントです。

アクセス

惣滝へは、燕温泉の温泉街から妙高山への登山道を歩いて約30分で到着します。滝の前には惣滝不動明王が祀られており、現在でも行者の姿を見かけることがあります。この場所は、自然と信仰が融合した神聖な空間となっています。

周辺の滝

惣滝周辺には、他にも魅力的な滝が点在しています。

そうめん滝（そうめんだき）

燕温泉から妙高山登山道を3分ほど進んだ場所から右手に現れる三段滝です。高さ64メートル、幅1メートルから3メートルで、太田切川の支流に懸かっています。最下段の滝は38メートルの高さから太田切川へと流れ落ち、その姿はまるでそうめんのように繊細です。

権現滝（ごんげんだき）

燕温泉から妙高山登山道を20分ほど進んだ場所に位置する二段滝です。高さ26メートル、幅1メートルで、太田切川に懸かっています。岩壁と岩壁の狭間を流れ落ちる水の様子は、写真家の木田薫によって「白い落水は風になびく白布のようなしなやかな姿を見せる」と評されています。

光明滝（こうみょうたき）

太田切川上流の北地獄谷に懸かる滝で、燕温泉から妙高山登山道を60分ほど進んだ場所にあります。高さ40メートル、幅4メートルで、細い水が小さな滝壺に流れ落ちる様子が特徴的です。

称明滝（しょうみょうだき、称名滝）

光明滝と同様に、太田切川上流の北地獄谷に懸かる滝で、燕温泉から妙高山登山道を70分ほど進んだ場所にあります。高さ85メートル、幅4メートルで、水がばらけるように落下する様子が特徴的です。水量が少ないためか、滝が懸かる岩壁は茶褐色に染まっています。

まとめ

惣滝は、その壮大な景観と周辺の美しい滝々によって、多くの人々を魅了する場所です。妙高山の豊かな自然の中で、滝の迫力と静寂を同時に感じることができます。ハイキングコースとしても人気があり、訪れる人々にとって忘れられない体験となるでしょう。

参考文献
木田薫著『日本滝名鑑4000』東方出版、2005年8月4日。ISBN 4885919347

関連項目
滝
日本の滝百選
太田切川 (新潟県)
妙高山
燕温泉
* 関温泉

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