愛媛県道325号今治大三島自転車道線

愛媛県道325号今治大三島自転車道線

愛媛県今治市に位置する一般県道であり、正式名称は「愛媛県道325号今治大三島自転車道線（えひめけんどう325ごう いまばりおおみしまじてんしゃどうせん）」です。この路線は、本州と四国を結ぶ「しまなみ海道」の一部として、自転車や歩行者のための専用道路網を形成しており、広島県側の広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線と一体となって「しまなみ海道サイクリングロード」の愛媛県部分を担っています。

概要

この県道は、その名の通り主に自転車や歩行者の利用に特化して設計されています。通行できるのは、総排気量125cc以下の自動二輪車、原動機付自転車、小型特殊自動車、そして自転車と歩行者に限定されています。これにより、高速道路である西瀬戸自動車道とは別に、安全かつ快適な速度で瀬戸内海の島々を結ぶ移動手段を提供しています。観光客だけでなく、地元住民の生活道路としても利用されており、瀬戸内海の豊かな自然と島々の文化に触れることができるルートとして親しまれています。

路線

愛媛県道325号は、本線と支線から構成されています。

本線

本線は、愛媛県今治市高部の国道317号との交差点付近を起点としています。そこから北東へ進み、大島、伯方島を経て、最終的に大三島に至ります。終点は大三島南部の愛媛県今治市上浦町盛にあり、愛媛県道51号大三島環状線と交差する地点です。このルートは、今治市街地から島々を順に渡っていく、しまなみ海道の基本的な流れに沿っています。

支線

支線は、大三島内の愛媛県今治市上浦町井口で、本線および国道317号から分岐します。この支線は多々羅大橋へと向かうルートであり、多々羅大橋の中央付近、広島県尾道市との県境が終点となっています。ここで広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線と接続することで、しまなみ海道サイクリングロードが愛媛県から広島県へと繋がります。

延長と未開通区間

この県道の総延長は48.9キロメートルですが、一部に未開通区間が存在します。現在供用されている区間を除いた総延長は48.0キロメートルです。未開通区間は、本線上の愛媛県今治市高部と愛媛県今治市宮窪町宮窪にあります。

地理

この路線が通過する自治体は、愛媛県今治市のみです。今治市内の島嶼部を中心にルートが設定されており、大島、伯方島、大三島といった主要な島々を横断します。ルート上では、国道317号をはじめ、愛媛県道49号大島環状線、愛媛県道51号大三島環状線、愛媛県道21号大三島上浦線など、市内の主要な県道と数多く交差または接続しています。また、西瀬戸自動車道の各島にあるインターチェンジ（大島南IC、大島北IC、伯方島IC、大三島ICなど）にも接続しており、自動車でのアクセスポイントからも利用できるようになっています。

沿線の見どころ

愛媛県道325号沿線は、瀬戸内海の豊かな自然と人工構造物の美しさが調和した魅力的な景観に満ちています。特に、ルートの大きな特徴となっているのが、本州四国連絡橋の一部を構成する巨大な橋梁群です。

来島海峡大橋: 今治市街地と大島を結ぶ世界初の三連吊橋です。
伯方・大島大橋: 大島と伯方島を結ぶ、吊橋の伯方橋とアーチ橋の大島大橋からなります。
大三島橋: 伯方島と大三島を結ぶアーチ橋です。
多々羅大橋: 大三島と広島県側の生口島を結ぶ斜張橋で、「サイクリストの聖地」モニュメントがあります。

これらの橋を渡る際には、瀬戸内海の多島美を存分に楽しむことができます。また、沿線には休憩施設も充実しており、道の駅伯方S・Cパークや道の駅よしうみいきいき館は、サイクリストが立ち寄り、地元の特産品を味わったり休憩したりする人気のスポットとなっています。

管理

この県道の管理は、区間によって複数の主体が担っています。橋梁部ではない地上の区間は、愛媛県東予地方局今治土木事務所が管理を行っています。一方、ルートに含まれる本州四国連絡橋の橋梁部分については、本州四国連絡高速道路株式会社（JB本四国）が管理・維持を担当しています。このような分担体制により、自転車道として安全で快適な利用環境が維持されています。

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