慶応工学会

一般財団法人慶応工学会について

一般財団法人慶応工学会は、慶應義塾大学と産業界、研究機関との橋渡し役として、日本の科学技術の進歩に寄与することを目的とした組織です。その起源は、太平洋戦争で大きな被害を受けた慶應義塾大学工学部の復興を支援するために、昭和23年に設立された「慶應工業会」に遡ります。

歴史

慶應工業会は、産業界で活躍する慶應義塾大学出身者たちの支援によって設立されました。初代会長には当時の塾長であった奥井復太郎氏が就任し、顧問には藤原銀次郎氏、小泉信三氏が迎えられました。その後、昭和37年9月に文部省の認可を得て「財団法人慶応工学会」として法人化されました。初代会長（理事長）には稲垣平太郎氏（日本ゼオン社長）が就任し、多くの賛助企業によってその活動が支えられています。

事業内容

慶応工学会は、以下の様な多岐にわたる事業を展開しています。

学事振興事業：大学や研究機関に所属する研究者への研究費援助、大学院生の学会出張費援助、シンポジウムなどの研究会合開催費援助、産官学連携セミナー開催など、研究活動を幅広く支援しています。
国際交流事業：海外の研究者を招聘し、講演や共同研究を行うための経費援助、日本の研究者が国際学会で研究発表するための渡航費援助など、国際的な研究交流を促進しています。
育英奨学事業：理工学系の大学院生を対象に、研究意欲の高い学生への給付型奨学金、経済的に困窮している学生への一部援助、特に優秀な学生への表彰など、次世代の研究者を育成しています。
研究推進事業：企業などの研究委託者と大学、研究担当者との間に立ち、契約締結や研究費支払いなどの業務を行う受託研究事業、研究成果の実用化や事業化を目指すフォーラムの開催、運営支援などを行っています。
学術普及事業：科学技術に関する講習会の開催や受託支援、科学技術の振興・普及に貢献する団体や機関の業務代行など、科学技術の普及活動も積極的に行っています。

これらの事業を通して、研究活動の支援、国際的な研究交流の推進、次世代の研究者の育成、研究成果の社会実装など、日本の科学技術の発展に貢献しています。

組織体制

慶応工学会の運営は、以下の役員によって構成されています。

顧問
鳥居泰彦：元慶應義塾長
安西祐一郎：元慶應義塾長・慶應義塾大学理工学部教授
清家篤：前慶應義塾長
長谷山彰：慶應義塾長
名誉会長
椎名武雄：日本アイ・ビー・エム株式会社名誉相談役
理事長
北城恪太郎：日本アイ・ビー・エム株式会社名誉相談役
常任理事
石井宏治：株式会社石井鐵工所代表取締役社長
西山繁：慶應義塾大学理工学部名誉教授
村上俊之：慶應義塾大学理工学部教授

その他、理事8名、監事2名、評議員19名が組織運営に携わっています。理事には、石川六郎氏のように、慶應義塾大学出身者以外の研究者も含まれています。

関連事項

慶応工学会は、産学連携を重視し、藤原工業大学（旧制）や慶應義塾大学大学院理工学研究科・理工学部とも密接な関係を築いています。

外部リンク

一般財団法人慶応工学会
慶應義塾大学理工学部

慶応工学会は、その長い歴史の中で、日本の科学技術の発展に大きく貢献してきました。今後もその活動を通して、社会の発展に貢献していくことが期待されます。

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