椎名武雄

椎名武雄（しいな たけお）

概要

椎名武雄は、1929年5月11日に生まれ、2023年4月19日に逝去した日本の経営者です。日本アイ・ビー・エム（日本IBM）株式会社において、代表取締役社長、会長、最高顧問などを歴任し、同社の発展に大きく貢献しました。また、経済同友会の終身幹事、社会経済生産性本部副会長、社団法人企業研究会会長など、経済界の要職を数多く務めました。

外資系企業が日本社会で広く受け入れられるようになる上で、椎名は重要な役割を果たしました。その功績から、藍綬褒章、勲一等瑞宝章を受章しています。位階は従三位。

人物

椎名は、外資系企業である日本IBMが日本社会で認知度を高め、財界での市民権を得る上で、大きな貢献を果たしました。1989年頃には、アメリカIBM社の業績が創業以来初の赤字に陥る可能性があるという記事が報道されました。これを受け、椎名は巨大なハードウェア製品を販売する体質からの脱却を図る必要性を感じ、1992年12月に代表取締役社長を退任しました。

2011年6月には、HOYA株式会社の社外取締役を退任し、ほぼ全ての役職から引退しました。

略歴

1929年5月：岐阜県関市に生まれる。
1951年3月：慶應義塾大学工学部機械工学科卒業。
1953年1月：バックネル大学工学部機械工学科卒業。
1953年6月：日本アイ・ビー・エム株式会社入社。
1960年：千鳥町工場工場長に就任。
1962年5月：取締役（生産部門担当）に就任。その後、人事、営業、財務部門等の取締役、常務取締役、副社長を歴任。
1975年2月：代表取締役社長に就任。
1989年6月：IBMコーポレーション副社長を兼任（-1993年3月）。
1990年4月：藍綬褒章を受章。
1993年1月：北城恪太郎に社長職を引継ぎ、代表取締役会長兼経営諮問委員会議長に就任。
1994年10月：貿易表彰を受賞。
1999年12月：大歳卓麻の社長就任、北城恪太郎の会長就任に伴い、最高顧問兼経営諮問委員会議長に就任。
2000年10月：日本経済新聞に「私の履歴書」を連載、企業研究会会長に就任。
2000年11月：勲一等瑞宝章を受章。
この間、HOYA、商船三井、明治製菓、メルシャン等の社外取締役を歴任。
2007年5月：日本アイ・ビー・エム株式会社相談役に就任。
2010年3月：日本アイ・ビー・エム株式会社相談役を退任。
2023年4月19日：病気のため死去。93歳没。死没日付をもって従三位に叙される。

著書

「伸びる社員の条件―栄光ある不満」（PHP研究所、1986年）
「オフィスの椅子が10万円でもいいじゃないか―未来のオフィス像を語る」（日本ビクタービデオソフト事業部、1989年、共著）
「外資と生きる―IBMとの半世紀 私の履歴書」（日本経済新聞社（日経ビジネス人文庫）、2001年）

関連項目

岐阜県出身の人物一覧#実業家

注釈

本記事は、椎名武雄氏の経歴や業績をまとめたものです。

外部リンク

IBM Japan - 役員略歴 - 椎名武雄 - ウェイバックマシン（2009年2月9日アーカイブ分）

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