應

古代の小国、應（おう）

應は、先[[秦]]時代に存在した小国であり、その歴史は殷代にまで遡ります。この国は、地理的に重要な位置にあり、その支配は古代中国の歴史において重要な役割を果たしました。

應の歴史

殷代の應

應の歴史は殷代に始まります。甲骨文の卜辞には「應侯朝商」や商王が「歩于應」といった記述が見られ、これらの記録から、殷代には既に應という国が存在していたことがわかります。また、『水経注』に引用された『竹書紀年』にも「殷時已有應国」とあり、殷代に應国が存在したことが裏付けられています。この時代の應は、現在の山西省朔州市応県一帯に位置していた可能性が指摘されています。

周代の應

周の武王が殷を滅ぼした後、應は一度滅亡し、その後、新たな應が建国されました。この新しい應は姫姓であり、始封の君は周の武王の子とされています。封地は現在の河南省平頂山市新華区滍陽鎮應城であり、平頂山には應の墓地が発見されていることから、この地に應が存在したことが考古学的に証明されています。應はもともと監国として、殷の遺民を監視する役割を担っていました。

應の位置は、洛陽平原につながる潁河渓谷の出口付近、そして南陽盆地の入口のすぐ近くという戦略的に重要な場所でした。この地を支配することで、長江中部への道路を管理することが可能でした。

滅亡

應は春秋時代中期に楚によって滅亡しました。その後、戦国時代には、秦の相国である范雎がこの地を封地とされ、「應侯」と呼ばれるようになりました。

歴代君主

應の歴代君主は以下の通りです。

應侯: 周の武王の子であり、應の始祖。
應侯見工: 《應侯見工簋》に見える人物。名は見工。西周中期前段期に活躍。
應釐公: 《應侯爯盨》に見える人物。西周中期前段期に活躍。應侯爯の父。
應侯爯: 《應侯爯盨》に見える人物。名は爯。西周中期前段期に活躍。應釐公の子。
應侯: 《應侯簋》に見える人物。西周中期に活躍。夫人は生杙姜。
應侯: 《應侯鼎》等に見える人物。西周晩期に活躍。夫人は應姚。
應侯: 《應侯簋》に見える人物。西周晩期に活躍。母は姫原母。

まとめ

應は、殷代から春秋時代にかけて存在した古代の小国であり、その歴史は殷代に遡ります。周代には姫姓の国として再建され、地理的に重要な位置を占めていました。考古学的発見や文献記録から、その歴史と支配者の系譜が明らかになっています。應は、古代中国の歴史を理解する上で、重要な鍵となる国の一つと言えるでしょう。

参考文献

任偉《西周封国考疑》
Li, Feng (2006). Axel Menges. ed. Landscape and Power in Early China: The Crisis and Fall of the Western Zhou 1045-771 BC*. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-85272-2

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