成功級フリゲート

成功級フリゲート（Cheng Kung class frigate）

成功級フリゲートは、台湾海軍で運用されるミサイルフリゲートであり、アメリカ海軍のO・H・ペリー級を基にライセンス生産された8隻の艦艇から成っています。これらの艦は、防空、偵察、その他の重要な海上任務に使用されており、台湾の海上防衛力の要となっています。

開発の背景

台湾海軍は長い間、旧型艦、特にバックレイ級やフレッチャー級などの駆逐艦を基にした艦これらを主力としてきましたが、これらは年数が経過し、戦力の近代化が急務となっていました。そこで1984年、台湾海軍は新たに3,000トン級のミサイル駆逐艦「光華I号」を8隻建造する計画を始めました。最初は西ドイツのMEKO型フリゲートを選定しましたが、台湾と西ドイツの外交関係の欠如や中国からの圧力により、その購入は難しくなりました。

いくつかの選択肢を検討した結果、最終的にアメリカの支援のもと、O・H・ペリー級を元にした新たな戦闘システムとVLS（垂直発射型システム）が搭載された「ミニ・イージス艦」の開発に移行しました。この計画により、8隻の成功級フリゲートが一体となって建造されることが決定しました。

設計の特徴

成功級フリゲートの設計は、O・H・ペリー級と類似していますが、台湾独自の改良が施されています。特に艦体は、原型よりも2.4メートル長くなり、中央部の鋼板が厚く設計されているため、艦体の安定性が向上しています。また、フィンスタビライザーを装備し、居住性の向上にも寄与しています。

艦内の居住環境は大幅に改善されており、兵員室にはベッドと食堂が完備され、冷房設備も設けられています。これにより、乗組員の快適性や士気の維持にも貢献しています。

主な兵装

成功級フリゲートは、オート・メラーラ76mm砲を搭載しており、射撃管制レーダーも装備されています。さらに、ファランクス20mm CIWSも搭載され、防空能力を強化しています。他にも、艦橋両舷にはボフォース350PX 40mm単装機関砲が設置され、高速艇への対策が行われていますが、76mm速射砲の発射中に40mm機関砲の作業員が退避する必要があるという問題も抱えています。

成功級は、ターターシステムを搭載しており、RIM-66 SM-1MR艦対空ミサイルを発射可能なMk.13発射機を備えています。一方で、通常のハープーン艦対艦ミサイルは搭載されていませんが、台湾製の雄風II型ミサイルを採用しており、将来的には雄風III型の装備も計画されています。

運用状況

成功級フリゲートは、台湾海軍において主力艦艇として活用されています。全艦は高雄で建造され、稼働率も高いことから多くの作戦に参加している実績があります。また、台湾海軍はこの艦級の増強を望んでおり、過去にはアメリカからのO・H・ペリー級フリゲートの購入計画が進められたこともありますが、中国からの抗議を受けています。

2017年には、アメリカから購入した2隻のフリゲートが台湾に配備され、台湾国防の強化に寄与しています。成功級フリゲートは、台湾海軍の防衛力強化を支える重要な艦艇としての役割を果たし続けています。

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