成嶋弘毅

成嶋弘毅：空手道場主宰からタツノコプロ社長へ至る波瀾万丈な人生

成嶋弘毅氏は、日本の実業家、アニメ製作者、そして空手家という、三つの顔を持つ稀有な人物です。1942年生まれの彼は、東京都新宿区で幼少期を過ごしました。幼い頃、大山倍達氏との出会いをきっかけに空手への強い憧れを抱き、弟子入りを志願するも叶わず、16歳から本格的に空手の修練を始めます。しかし、理想の師匠に出会うことなく、複数の道場を転々とする日々を送りました。

その後、文化学院を卒業し、海運会社勤務や自動車修理販売会社経営、カナダ企業勤務など、多様な経験を積みます。そして1979年、アニメ制作会社として名高いタツノコプロに入社。当初はカナダでの勤務経験を買われ、海外営業を担当しました。

ビジネスマンとしての活動と並行して、1976年頃には福生市に自身の空手道場「葉隠塾」を開設。地元の青少年を中心に指導を行い、空手家としての活動も精力的に続けました。

1980年代後半からは、タツノコプロのスタッフとしてアニメーション制作にも携わるようになり、着実にキャリアを積み重ねていきます。そして2005年7月1日、タツノコプロの第4代社長に就任。これは、創業者一族以外からの初の社長就任という快挙でした。

社長就任後も、精力的に活動を続け、2009年4月からは母校である文化学院の放送・映画学科特別講師に就任するなど、教育活動にも貢献しています。

アニメ業界における貢献

成嶋氏は、数々のタツノコプロ作品に携わり、その制作に大きく貢献しました。代表的な作品としては、テレビアニメ『おらぁグズラだど』（リメイク版）、『天空戦記シュラト』、『昆虫物語　みなしごハッチ』（リメイク版）、『キャッ党忍伝てやんでえ』、『ロビンフッドの大冒険』、『宇宙の騎士テッカマンブレード』、『シンデレラ物語』、『マッハGoGoGo』（リメイク版）、『ジェネレイターガウル』、『タイムボカン2000 怪盗きらめきマン』、『よばれてとびでて!アクビちゃん』、『アクビガール』、『ヤッターマン』（リメイク版）などがあります。また、映画『劇場版 ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合! オモチャの国で大決戦だコロン!』にも企画として参加しています。さらにOVA作品『タイムボカン王道復古』、『GATCHAMAN ガッチャマン』、『新破裏拳ポリマー』などにも企画として携わりました。これらの作品を通して、日本のアニメーション文化の発展に大きく寄与しました。

空手家としての活動

成嶋氏は、空手家としても長年活動し、葉隠塾の主宰者として指導にあたっています。幼少期の大山倍達氏との出会いをきっかけに始まった空手への情熱は、現在もなお彼の大きな原動力となっています。

著述活動

また、成嶋氏は『「武士道」子育て 強くて品格ある男の子を育てる方法』（イースト・プレス）を出版するなど、著述活動にも取り組んでいます。

まとめ

成嶋弘毅氏は、空手家としての鍛錬と、アニメ業界での成功という、一見すると異なる二つの世界で卓越した成果を収めてきました。その経験と才能は、彼の人生の豊かさ、そして日本の文化の発展に貢献した貴重な財産と言えるでしょう。タツノコプロ顧問、日本動画協会理事、そして葉隠塾主宰者としての彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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