成松信勝

成松 信勝（なりまつ のぶかつ）

成松信勝は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、龍造寺氏の家臣の一人です。彼は龍造寺四天王の一員として知られており、数々の戦闘でその才覚を発揮しました。

略歴

成松信勝は、主君である龍造寺隆信からその名字の偏諱を受け、「信勝」との名を名乗ります。元亀元年、1570年には今山の戦いにおいて、大友軍に対する大胆な夜襲を敢行しました。この戦いでは、敵の総大将である大友親貞を討ち取ることに成功し、その功績に対して隆信から感状を受けました。隆信が隠居した後も、信勝は近侍として彼を支え、隆信の隠居城である須古城の普請奉行を務めました。これにより、信勝は城の整備や発展に貢献し、その能力を証明しました。

信勝が大友親貞を討伐した際に使用した槍や、信勝自身が身に着けていた黒漆塗りの五枚胴具足は、現在佐賀県立博物館に保管されており、彼の名誉や武勇の象徴として訪れる人々の目を引いています。これらの遺物は、当時の戦国時代の武士の暮らしや戦いの歴史を物語っているといえるでしょう。

しかし、信勝の戦歴には悲劇的な結末も待っています。天正12年、1584年3月24日、島津氏との戦い、いわゆる沖田畷の戦いで戦死いたしました。彼の死は、龍造寺氏にとって大きな損失であり、その名は歴史の中で深く刻まれました。

子孫

成松信勝の子孫は、佐賀藩士としてその伝統を引き継ぎました。特に孫の成松新兵衛は、祖父の功績を残すために慶安3年、1650年に「成松新十郎信勝戦功略記」を著しました。この書物は、信勝の戦歴や彼の業績を記録した大切な資料となっています。

また、幕末の頃には成松信保という子孫が手明鑓組頭を務めました。彼は佐賀藩領の肥前有田皿山において名代官として活動し、有田焼の生産を支援したことで知られています。信保の偉業は、地域の産業の発展や文化の継承にも寄与したと考えられています。

さらに、成松信久も子孫の一人で、彼の次男は百武氏に養子に入り、「百武兼貞」と名を改めました。兼貞は京都留守居役などを経て、有田皿山の代官となり、地元の名士として名を馳せました。その子は、日本で最初の洋画家とされる百武兼行であり、芸術の分野でも成松家の名を広めることに成功しました。

まとめ

成松信勝の生涯は、戦国時代の戦士としてのリーダーシップやその後の家族の偉業によって、人々の記憶に留められています。彼の功績や子孫たちの業績は、佐賀の歴史や文化において重要な役割を果たしています。

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