須古城

須古城（すこじょう）

概要

須古城は、佐賀県杵島郡白石町にあった戦国時代の日本の城です。平井氏が築いた須古城は、杵島城、男島城と連携した強固な防衛体制を構築し、難攻不落を誇りました。その規模は佐賀県下でも最大級であり、高城、隆城とも呼ばれていました。この城郭群は、当時の権力と戦略的重要性を物語る貴重な遺構です。

歴史

室町時代から戦国時代へ

室町時代には、平井経治をはじめとする平井氏が居城としていました。しかし、戦国時代に入ると、龍造寺氏との間で激しい攻防が繰り広げられました。4度にわたる龍造寺氏の猛攻の末、天正2年（1574年）についに落城し、平井氏は滅亡しました。

龍造寺氏による改修と繁栄

平井氏滅亡後、龍造寺隆信が城に移り住み、大規模な改修を行いました。曲輪、土塁、防塁、二重の堀、虎口などを新たに設け、城の規模は東西560m、南北580mにまで拡大し、佐賀県最大の平山城へと生まれ変わりました。この改修により、須古城は北部九州を実質的に統治支配するための重要な拠点となり、龍造寺氏の勢力拡大を支えました。

九州三大名としての隆盛

戦国時代、須古城を拠点とする龍造寺氏は、大友氏、島津氏と共に九州三大名として九州を支配しました。龍造寺隆信は須古城から肥前、肥後、豊前、筑後、筑前の五ヶ国を支配し、須古城は広大な領国の首都としての役割を果たしました。隆信の時代が須古城の最盛期であり、その権勢を示すものでした。

その後の変遷

天正12年（1584年）の沖田畷の戦いで龍造寺隆信が戦死すると、隆信の弟である龍造寺信周が城主となりました。その後、佐賀藩が成立すると、須古城は須古鍋島家の居館として整備され、城としての役割を終えました。しかし、その歴史的価値は今もなお失われていません。

城下町

須古城の周辺には、城下町が形成されていました。当時の面影は多くは残っていませんが、発掘調査によって、当時の生活や文化を知る手がかりが得られることが期待されます。

現状

現在、須古城は国指定史跡を目指して、白石町によって発掘調査が進められています。令和2年（2020年）から行われている調査では、陶磁器や戦国時代のものと見られる瓦が大量に発見されており、須古城に瓦葺の建築物があったことが証明されました。これらの発見は、須古城の歴史と構造を解明する上で非常に重要な意味を持ちます。

関連事項

* 須古鍋島家

まとめ

須古城は、戦国時代の九州における重要な城郭であり、その歴史は平井氏の時代から龍造寺氏の繁栄、そして佐賀藩成立後の変遷へと続きます。現在も発掘調査が続けられており、その全容解明が期待されます。国指定史跡となることで、より多くの人々にその歴史的価値が理解されることが望まれます。

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