成海神社

成海神社の紹介

成海神社（なるみじんじゃ）は、愛知県名古屋市緑区鳴海町にある由緒ある神社で、延喜式神名帳に記載された尾張国愛智郡の社、式内社としても知られています。この神社は、以前は「鳴海天神」や「東宮大明神」と呼ばれたこともあり、旧県社としての格を持っています。

祭神

成海神社の主祭神は日本武尊で、配祀として宮簀媛命が祀られています。宮簀媛命は、尾張国造の子孫であり、日本武尊の妻の一人です。彼女は伊吹山への旅に際して、日本武尊から草薙剣を預かり、その後に熱田神宮を創設する重要な役割を果たしました。また、建稲種命も配祀されており、彼は日本武尊の東征における副将軍として知られています。

由緒

成海神社の創建は朱鳥元年（686年）に遡ります。草薙神剣が熱田に渡る事件を契機に、日本武尊に縁のある地に鎮座したとされています。創建当初は今の位置より南の扇川近くに「天神山」上にありましたが、応永元年には足利氏の武将によって現在の位置に移されました。遷座された際には根古屋城（鳴海城）が築かれ、城跡公園内には境外社の天神社も存在します。

古くは天白川の支流である扇川が流れ、「鳴海潟」と呼ばれる海岸がありました。この地には日本武尊が詠んだ御歌の石碑もあるほどで、彼が残した詩の中には、鳴海潟について言及されたものも多々あります。

年中行事

成海神社では様々な年中行事が行われています。

• - 2月 節分の日：節分祭
• - 7月 中旬：夏祭茅ノ輪神事
• - 10月 第2日曜：鳴海祭、例祭、御船流神事

特に10月の例祭では、鳴海潟にまつわる神話に基づき、御神霊を旧址へ渡御させるイベントが催され、木片を舟として扇川に流す「御船流神事」が行われます。

文化財

神社の祭事の一環として鳴海祭を支える山車行事が名古屋市無形民俗文化財に指定されています。また、弘治3年（1557年）の今川義元社領安堵状などの史料も残されています。

アクセス

成海神社へは名鉄名古屋本線の鳴海駅から徒歩約15分、また名鉄バスの「成海神社」バス停からも徒歩1分ほどで到着します。名古屋市営バスの「花井」バス停からもアクセス可能で、周囲には交通の便も整っています。

成海神社は、訪れる人々にとって歴史的な魅力のみならず、心温まる神事を通じて地域文化に根差した神社として、多くの人々に親しまれています。

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