成田山大阪別院明王院

成田山大阪別院明王院

成田山大阪別院明王院は、大阪府寝屋川市成田西町に位置する真言宗智山派の寺院です。この寺院の山号は成田山で、本尊には不動明王が安置されています。また、千葉県成田市にある成田山新勝寺の別院としても知られ、一般には成田山不動尊という名前でも親しまれています。創建は1934年（昭和9年）で、近畿三十六不動尊霊場の第28番札所としても重要な役割を果たしています。特に交通安全や鬼門よけの祈願でのご利益が謳われており、多くの信者が訪れます。

歴史

この寺院の歴史は明治時代に遡ります。当時、大阪地域の人々の間で成田山新勝寺への信仰が高まり、昭和に入ると大阪に別院が欲しいとの声が高まりました。この声には、田辺治通の実弟である田辺真弘が動き、関西の信徒を代表して成田山新勝寺に別院の建立を依頼しました。さまざまな場所が検討される中、最終的に北河内地域が選ばれました。

北河内は、大阪の鬼門に位置するため、良好なイメージを持たれていませんでした。そこで、京阪電気鉄道は成田山大阪別院の設立を積極的に後押しし、香里駅周辺の未開発地を境内として寄進することになりました。その結果、明王院が京阪からの寄進地に移転し、1934年に本堂が京阪の協力で建立され、成田山大阪別院明王院が誕生しました。

周辺地域は新興住宅地で、成田山新勝寺のような門前町は未だ形成されていませんが、1967年と1973年には町名が新たに設けられています。

境内の主な施設

成田山大阪別院明王院の境内には本堂のほか、多くの施設が存在しています。本堂は1934年に建立され、不動明王がここに祀られています。ほかにも、1959年に設置された笑魂塚や1949年に建立された鐘楼、さらにはお百度行場や新四国八十八カ所霊場などもあります。

さらに特筆すべきは、交通安全祈願が行える祈祷殿で、1954年に展開されました。ここでは一度に100台の車の祈祷ができる日本初の専用施設です。また、茶室「菅相庵」はかつて寺子屋として使われていた歴史的な建物でもあり、彼の地に寄進されています。

年間行事

この寺院における年間行事も多彩であり、大般若転読付き大護摩供や初不動、星まつり、節分祭などが行われています。特に節分祭では、NHKの連続テレビ小説の出演者が豆をまくことでも知られています。豆は「福は内」とだけ言い、鬼を払う必要がないためだとされています。

成田山の御守は、京阪電気鉄道の全ての客車に祀られ、交通安全を願う信仰の広がりも見逃せません。また、ナリタブライアンという競走馬の冠名も、この寺院に由来しています。

成田山大阪別院明王院は、地域の信仰を集める重要な場所として、今も多くの人々に親しまれています。

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