田辺治通

田辺 治通の生涯と業績

田辺 治通（たなべ はるみち、1878年10月17日 - 1950年1月30日）は、日本の重要な政治家であり、逓信官僚として活躍した人物です。大阪府知事や内閣書記官長、逓信大臣、内務大臣といった多くの重要な役職を歴任し、日本の通信行政の発展に貢献しました。山梨県出身の彼は、酒造業者の次男として生まれました。

学歴と初期キャリア

田辺は明治38年に東京帝国大学の法科を卒業し、逓信省に入省しました。彼は、その後横浜郵便局長や大阪郵便局長などを務め、さらには逓信監理局書記官、事務官、参事官などを歴任しました。特に、フランス留学後の無線電信法の制定に貢献したことが評価されています。1924年には通信局長に就任し、通信分野における「通信閥」のリーダーとしての地位を確立しました。

政治活動と内閣

しかし、田辺は第2次護憲運動の際に清浦内閣に結びつく特権官僚として糾弾され、護憲三派による加藤高明内閣成立後には休職処分を受けました。最終的には依願免官されましたが、彼を高く評価していた平沼騏一郎に支えられる形で、国本社の理事に就任しました。そこで田辺は、平沼の片腕として政治的な動きに関与しました。

大阪府知事とその後

昭和2年には鈴木喜三郎内務大臣に招かれて大阪府知事に就任しましたが、鈴木の選挙干渉事件により辞任を余儀なくされました。そして昭和8年には満州国に渡り、同国参議および参議府副議長として活動しました。平沼内閣が誕生すると、田辺は内閣書記官長として政権の基盤作りに貢献しましたが、その3か月後に逓信大臣に復帰します。しかし、この内閣も短命に終わり、彼は逓信大臣から辞任しました。

貴族院議員と戦後の活動

昭和15年には貴族院議員に勅選され、昭和16年には近衛内閣の内務大臣となります。しかし、この内閣も約3か月で崩壊することとなりました。その後、大日本飛行協会会長として活動を続けますが、戦後の公職追放を受けて1946年に貴族院議員を辞職し、1950年に病で亡くなりました。

栄典

田辺は1937年に勲二等瑞宝章を授与され、昭和六年乃至九年事変従軍記章も受章しています。これらの栄誉は、彼の公務に対する貢献を物語っています。

田辺治通の生涯は、日本の通信業や政治の歴史において重要な役割を担った人物たちの中でも特に際立ったものと言えるでしょう。彼の功績は、今も多くの人々に記憶され続けています。

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