或る夜の殿様

或る夜の殿様



『或る夜の殿様』(あるよのとのさま)は1946年7月11日に公開された日本映画で、製作・配給は東宝によります。衣笠貞之助が監督を手がけ、主演を長谷川一夫が務めています。モノクロでスタンダードの112分の作品である本作は、衣笠の戦後第1作としても知られています。

物語は、明治時代の箱根の温泉宿を舞台にし、鉄道建設をめぐる利権争いを描いています。この設定は当時の歴史的背景を反映しており、当時の社会情勢や人間関係についても考察を促します。コメディというジャンルを取り入れることで、重いテーマを軽妙に表現しているのが特徴です。

本作には、長谷川一夫大河内傳次郎山田五十鈴高峰秀子藤田進ら、東宝を代表するスターたちが出演しており、豪華なキャストが勢揃いしています。お盆興行に合わせて封切られ、その結果、大ヒットを記録しました。特に、第1回毎日映画コンクールでは日本映画大賞を受賞し、その名は広まりました。

スタッフ


  • - 演出:衣笠貞之助
  • - 製作:清川峯輔
  • - 脚本:小国英雄
  • - 撮影:河崎喜久三
  • - 音楽:鈴木静一
  • - 美術:久保一雄
  • - 録音:空閑昌敏
  • - 音響監督:園田芳竜
  • - 照明:横井総一
  • - 編集:後藤敏男
  • - 特撮効果:円谷英一

キャスト



受賞歴


本作は、第20回キネマ旬報ベスト・テンで第3位を受賞。また、第1回毎日映画コンクールでは日本映画大賞と大衆賞を獲得しています。これにより、映画の質の高さや観客からの支持が伺えます。

テレビドラマ化


1961年4月30日には、TBSテレビの『東芝日曜劇場』で本作のストーリーがテレビドラマ化され、再び多くの観客に親しまれました。テレビ版では、フランキー堺、市川段四郎、森光子、大空真弓などのキャストが出演しました。

『或る夜の殿様』は、歴史的価値や当時の社会情勢を反映した作品であり、今もなお多くの人々に愛されている日本映画の一つと言えます。

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